第26章 志
無「壊れるから何?また作ったら?
君がそうやってくだらないことを、ぐだぐだぐだぐだ言ってる間に何人死ぬと思っているわけ?
…柱の邪魔をするっていうのは、そういうことだよ。」
無一郎は手を差し出す。
無「ほら、鍵。
自分の立場を弁えて行動しなよ。赤ん坊じゃないんだから。」
炭治郎は無一郎の手をパシンッと叩く。
無一郎はビリビリとする手を振った。
無「何してるの?」
炭「こう…何かこう…すごく嫌!
なんだろう、配慮かなぁ⁉︎
配慮が欠けていて残酷です!」
無「この程度で残酷?…君…」
炭「正しいです!
あなたの言っている事は概ね正しいんだろうけど!
間違ってないんだろうけど!」
炭治郎は改めて言葉に力を込める。
炭「刀鍛冶は重要で大事な仕事です!
剣士とは別の凄い技術を持った人たちだ!
戦っているのはどちらも同じです!」
しかし、無一郎の表情は変わらない。
無「悪いけど、くだらない話に付き合っている暇ないんだよね。」
無一郎は炭治郎の首に手刀を打った。
ドンッ
炭治郎の視界はグラっと回り、そのまま気を失った。
無一郎はその場から立ち去る。
残された子供は気を失った炭治郎を見て慌てている。
『どうしよう…』
すると、ひょっとこに手ぬぐいを被った男が現れた。
鋼鐡塚だ。
木陰から炭治郎達をずっと見ていたのだ。
鋼「俺が運ぶ。もう少しして起きなきゃ…
ん?瞼がぴくぴくしだした!コイツ起きる!
じゃぁな!」
鋼鐡塚はどうしても炭治郎に会いたくないようだ。
パチっと、炭治郎は目を覚まし、ガバッと起き上がった。
『大丈夫ですか?急に起きない方が…』
炭「鋼鐡塚さんいた?」
『えっ…』
炭「今ここにいなかった?」
『い、いえ、いなかったですよ!」
バレバレな誤魔化しをする。
「炭治郎くーん!」
そこへ泰葉が走ってきた。
炭「あ!泰葉さん!」
「こんなところに座ってどうしたの?」
炭「いや…これは…
あ!そういえば、柱の人は⁉︎」
『鍵を渡したので行ってしまいました。』
子供は悔しそうだ。
泰葉は首を傾げる。