第26章 志
蜜璃はモジモジしながら炭治郎の側に寄る。
蜜「この里には強くなるための、秘密の武器があるらしいの。
探して見てね。」
コソコソと炭治郎に内緒話をすると、じゃぁね!と、にこやかに去っていった。
「蜜璃ちゃん、気をつけてねー!」
泰葉が手を振ると、蜜璃も振り返って手を振った。
「あーぁ、蜜璃ちゃん…行っちゃったね…⁉︎」
泰葉がそう言いながら炭治郎を見ると、鼻血が勢いよく出ていた。
「え⁉︎なに⁉︎ちょっと、大丈夫⁉︎」
アタフタと懐に入れていた小さな手ぬぐいを、炭治郎の鼻に押し当て、鼻根部をぎゅっと抑えた。
どうやら、炭治郎には蜜璃との内緒話は刺激が強かったようだ。
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炭「もう大丈夫です。ありがとうございます!」
炭治郎の鼻血も止まったようで大丈夫そうだ。
「いいのよ。蜜璃ちゃん可愛いからね。」
炭「いや、お恥ずかしい限りです。俺、家族以外の女性にあんなに近寄られた事ないから…。」
何とも可愛らしい反応である。
まだ初々しい少年だ。
炭「玄弥もいないし、とりあえず部屋に戻りましょうか。
明日、この辺を散策しようと思っているんですが、泰葉さんもどうですか?」
「え!いいの?
やったー!楽しみにしてるね!」
そう言って部屋へと向かう泰葉。
少しはしゃいでいるように見えるのは気のせいだろうか。
炭治郎は後ろ姿を見て、可愛らしいとホワホワした。