第25章 温泉
炭「俺、本当に焼かれるかも知れません。」
蜜「私も…さっきあれ触っちゃったもの。」
その頃、杏寿郎はくしゃみをしていた。
杏「む、風邪でも引いたか?不甲斐なし!」
炭「ところで、誰に無視されたんですか?」
蜜「そう!それが分からないの〜!だから名前を聞いたの!
酷いと思わない?私柱なのに〜!!
お風呂上がりのいい気分が台無し!!」
「あらあら、蜜璃ちゃん…」
しかし、炭治郎は穏やかな顔をしている。
炭「もうすぐ晩御飯ができるようですよ。
松茸ご飯だそうです。」
それを聞いた蜜璃は、途端に表情を明るくさせた。
蜜「えー!ほんとー!」
蜜璃は急にご機嫌になるや否や、
蜜「宮さん宮さん、お馬の前でヒラヒラするのはなんじゃいなっ!」
と、歌いながらスキップしながら食事処に向かい始めた。
蜜璃の自由さに思わず、困った笑みを浮かべる泰葉。
「炭治郎くん、どうもありがとう。」
炭「いえ、甘露寺さんは食べる事が大好きだって聞いていたので、もしかしたら食事のことを話したら気が変わるかなと思ったんです!」
「炭治郎くんは、人の扱いが上手いのね。
優しいところも素敵よ。それじゃ、また後でね!」
泰葉はそう言うと、にっこり笑って蜜璃の後を追った。
炭「わー、何だろう。今俺フワフワした気分だ。」
炭治郎はいい気分のまま温泉へと向かった。
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炭治郎は温泉に着くと、すでに一人入っていた。
ビチっと何かが炭治郎のおでこにあたる。
何かと思って見てみると…
前歯。
炭「え…前歯の落とし物⁉︎」
歯が飛んできた方を見ると、上背があり、両脇が刈り上げられた頭。
蝶屋敷で、すみが教えてくれた…
炭「不死川玄弥!!」
炭治郎が呼ぶと、間髪入れずに
玄「死ね!!」
と言われた。
心外だと、炭治郎は急いで衣服を脱ぎ、温泉に飛び込んだ。
炭「久しぶり!元気でやってた?風柱と名字同じだね!」
そう話しかけると、話しかけるなと怒鳴られ沈められた。
玄弥は怒って出ていってしまう。
炭「裸の付き合いで仲良くなれると思ったんだけど…
人間関係って難しいな…」