第25章 温泉
蜜「ん?感謝のやまびこが聞こえた。
誰かきたのかしら。なんだかドキドキしちゃう。」
「確かにありがとうって…
上がって誰がきたか見てみる?」
蜜「そうね!やまびこになるくらいのお礼が言えるのは、絶対にいい人よ。」
泰葉と蜜璃はようやく胸の触り合いを止めて上がることにした。
着替えなどを終えて脱衣所を出る。
温泉から里の方に歩いて行くと、男性が一人歩いてきた。
すらっと上背があり、頭の両脇は刈り上がっていて、今で言うモヒカンというやつだ。
目は釣り上がって少し血走っている。
「あれは…」
蜜「あれ、隊士の方よね⁉︎おーい、こんにちはー!」
蜜璃は手を振りながら、その隊士に駆け寄って行く。
蜜璃は一生懸命に話しかけているが、一向にその隊士は口を開こうとしない。むしろ、顔を赤くして…とても恥ずかしそうだ。
泰葉が急いで近寄ると、落ち込む蜜璃と真っ赤になって固まる隊士。
その隊士は泰葉の顔を見て、またさらに赤くなって温泉の方に走っていってしまった。
蜜「…無視…されたぁ…」
蜜璃は目に涙を浮かべ、泰葉に抱きついた。
「無視…というか、あれは…」
ただ恥ずかしかったんじゃないかな?
蜜璃を慰めながら坂を下って行くと、また誰かがひょっとに説明を受けている。
市松模様の羽織の彼は。
「炭治郎くん…?」
蜜「炭治郎くん!竈門炭治郎くんよね!」
蜜璃は急に走り出した。
蜜「あーーー!炭治郎くんだ!炭治郎くーん!」
走ってくる蜜璃を見て目を見開く炭治郎。
炭「あっ!気をつけてください!乳房が零れ出そうです!!」
蜜「聞いてよ、聞いてよ〜!私今そこで無視されたの〜!
挨拶したのに無視されたの〜!」
うわーんと訴える蜜璃、炭治郎は話を聞きながら走ったことにより、はだけた浴衣を心配している。
「蜜璃ちゃーん!待ってぇー!」
蜜璃を追いかけて走る泰葉。
その姿を見て炭治郎と蜜璃が慌てる。
蜜「泰葉ちゃん!危ない、危ないわ!!」
炭「泰葉さんも乳房が零れ出ます!俺業火に焼かれて死にたくありません!!」
「はぁ、はぁ、蜜璃ちゃんが走っていっちゃうから…」
膝に手をついて息を切らす泰葉を、顔を真っ赤にして見る蜜璃と炭治郎。