第25章 温泉
泰葉と蜜璃は温泉に入り、んー…!と伸びをした。
「あー、幸せー!」
蜜「やっぱりいいお湯だわー!」
温泉のお湯は肌に優しく、じんわりと温めてくれる。
蜜「でも、さっきの無一郎くんにはビックリしたわ!
あんなこと言うなんて!」
蜜璃はまた思い出したのか、目を見開きドキドキとさせていた。
「正直、私もビックリした。とても14歳とは思えなかったわ…。」
泰葉もアレには参ったと困ったように微笑んだ。
蜜「で、でも…聞いたわよ。泰葉ちゃん、冨岡さんと不死川さんにも想われていたんでしょう?」
泰葉は目を見開く。
「どうしてそれを⁉︎」
蜜「しのぶちゃんから聞いたのよ。
冨岡さんと不死川さんは絶対泰葉ちゃんのこと好きなんだけど、2人とも泰葉ちゃんと2人で話してから、変わったって。
だから、想いを伝えて振られたんだろうって。」
しのぶの観察力には感服だ。
「で、でも!不死川様は違うと思うよ?私好きだとは言われていないもの。」
蜜「でも違う言い方で聞いたたんじゃない?」
泰葉は実弥との会話を思い出す。
「…煉獄様のことが好きか、とは聞かれたわ…。」
蜜「…で?なんで答えたの?」
「答えはしなかった…そんな事を聞かれると思わなくて。」
真っ赤になって俯く泰葉を見て、蜜璃は肩を落とした。
蜜「泰葉ちゃん。その反応が答えだったと思うわ。」
蜜璃は、義勇と…特に実弥が少しだけ気の毒に思えた。
2人は髪を洗う。
泰葉の髪は肩くらいまでしかないので、そこまで時間はかからない。
しかし、蜜璃は長い髪に毛量もあって洗うのも一苦労だ。
蜜「ごめんねー、時間がかかっちゃうのよぉ。
先に湯船に入っても良いからね。」
ピンクの綺麗な髪を洗う蜜璃。
思わず見惚れてしまう。
「蜜璃ちゃん、もし嫌じゃなかったら私にも洗わせてくれないかな?」
蜜「えっ!良いの⁉︎嬉しい〜!」
泰葉は蜜璃の髪に触れる。
ツヤツヤしていて毛先に向けて若草色になっている。
「本当に綺麗な色…。」
徐にそう言うと、蜜璃が泰葉の顔を覗き込む。