第24章 刀鍛冶の里
翌日。
昨日、早く寝たからかスッキリと目が覚めた。
昨日のうちに少ない荷物を纏めてあるので、朝ごはんを食べて家を空ける準備をするだけだ。
食事をして、家事を済ませる。
家を出る前に咲子に声をかけていこう。
「おはようございますー!」
隣の家に行き、玄関から声をかける。
はーい、と奥から声がして、パタパタと駆けてくる。
咲「あら、泰葉ちゃんどうしたの?」
玄関から声をかけるのは珍しいため、咲子は首を傾げた。
「朝からすみません。今日から数日家を空けるので、花に水をお願いしてもいいですか?」
咲「それはもちろん大丈夫よ!天気が良い時はお布団を干しておこうか?」
「え、いいんですか?いつも面倒見ていただいてありがとうございます。お手隙の時でいいですからね。」
そう言って、泰葉は咲子に鍵を手渡す。
咲「いいのいいの。
でも、数日空けるなんて珍しいわね。旅行?」
「ん、まぁ、そんな感じかしら。」
咲「もしかして!煉獄様とかしら?」
咲子は勝手に想像してキャーキャー言っている。
「違うわ。とっても可愛い女の子と行くの。
ご期待に添えなくてごめんなさい。」
泰葉はいつもの事なので、茶目っ気を含めて返す。
咲「十分に気をつけて行ってくるのよ。
ちゃんと帰ってきてね。」
咲子は泰葉の誘拐事件があってから、心配なようだ。
「ありがとう。大丈夫よ、ちゃんと帰ってくるわ。
行ってきます。」
泰葉は咲子に頭を下げて、蝶屋敷へと向かった。
今日は着替えたりしないし、歩くと思って袴を着て来た。
刀鍛冶の里とはどのような場所なのだろうか。
柱達が良いところだと言うのだから、よっぽど良いのだろう。
泰葉は胸を踊らせる。
いつもより足取り軽やかに向かうと、蝶屋敷が見えてくる。
門の前では人影がある。
蜜璃としのぶ、黒い服を着た人が2人。
蜜「泰葉ちゃーん!おはようー!」
蜜璃が、手を振っている。
泰葉は慌てて駆け寄った。
「おはよう!待たせちゃったかな?」
蜜「ううん、大丈夫よ!まだ約束の時間前だし!」
し「泰葉さん、おはようございます。
こちらは今日あなた方を刀鍛冶の里まで連れて行ってくれる隠さんよ。」