第24章 刀鍛冶の里
その頃、杏寿郎は天元の元に来ていた。
天「ほぅ。その金崎って男を調べるんだな?」
杏「あぁ。毎日のように治療を受けに来るという事は、その分怪我をしているという事だ。
新人隊士でも、そんな事はあり得ないだろう。しかも階級は甲だぞ?」
それは怪しすぎる。
天「泰葉にも危険なやつだからな…
よし分かった。お前らよりも俺の方が今は自由がきくからな!調べるぜ!」
杏「恩に切る!俺も何かわかったら連絡する!」
天「…で、泰葉が刀鍛冶の里に行くんだって?」
杏寿郎は驚いた。
その話はまだしていない。
杏「君、その話はどこから…」
ふふんと笑う天元。
天「俺の情報網舐めんなよ。
しっかし、よく許可出たよなぁ。」
杏「うむ!俺もまさか許可が出るとは思わなかった!そうと分かっていれば、俺が連れて行きたかった!」
天「残念だったなぁ、今回は時透も行ってるらしいじゃねぇか。お前、大丈夫なのかよ。」
杏「むぅ、大丈夫も何も…
今回はついて行くにも行けんし…何も起きないと、信じるしか無い。」
天元は頭の後ろに手を組み、杏寿郎を見る。
天「そうさなぁ…」
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泰葉の午後の仕事は何事もなく進んだ。
午後3時になった時、しのぶは泰葉に上がっていいと言ってくれた。
泰葉は身支度を整えて、しのぶに挨拶をする。
「しのぶさん、お先に失礼します。
明日から、行ってくるね。ありがとう。」
し「明日は蝶屋敷の前で待ち合わせよね?
お見送りするわ。ゆっくり身体と心を休めてきてね。
甘露寺さんに話を聞いてもらうのもスッキリすると思うわ。
私より、彼女の方が恋愛には詳しいから。」
しのぶはふふっと笑う。
それは…どういう事だろうか…。
「しのぶさん…それってどういう…」
し「案外泰葉さんって分かりやすいタイプだと思いますよ。」
つまり、泰葉が杏寿郎のことを想っている事を知っている…
そう思ったら泰葉は恥ずかしくなり、顔を真っ赤にさせた。
「しのぶさん!それはいつから⁉︎」
し「大丈夫、今ですから。」
…泰葉はしのぶに嵌められたようだ。