第24章 刀鍛冶の里
しばらくすると、しのぶが戻ってきた。
手には2人分の食事を持っている。
し「泰葉さん、昼食にしましょう。」
しのぶは微笑みながら卓袱台に食事を並べる。
「代わってもらってありがとう。
その…どうだった?」
泰葉は緊張した。
来なかった…という答えが聞きたい。
し「まず、隊士達は何を考えているのでしょうか。」
と、ため息をつくしのぶ。
し「隊士達はとを開けて私だと知ると、何人かはそのまま閉めて帰っていったのよ。
後の隊士達も、自分で対応できるような怪我。
全く困ったわ…。」
しのぶは泰葉に気を遣ってくれているのだと思うが、泰葉の心はドッドッと、緊張したままだった。
その様子に、しのぶは肩を落とす。
し「泰葉さん、落ち着いて聞いてね。
金崎という隊士は…来ました。」
泰葉は目を見開いた。
非番だったはずなのに、なぜ治療に来る事があるのだろうか。
「ほんと…に?」
し「彼は戸を開けて、泰葉さんがいないことに驚いていましたが、治療は受けていきました。
そして、治療の場所ですが…
今日は胸元でした。
どうしたのか聞いたら、鬼にやられた…と。
彼は非番だと言っていたんですよね?」
泰葉は頷いた。
確かに昨日、金崎は杏寿郎に非番だと伝えていた。
杏寿郎に嘘をついたのか、しのぶに嘘をついたのか…
し「とにかく、彼には近づかない方が良いというのは確かですね。
煉獄さん達が調べてくれると言っていますから、その結果を待ちましょう」
「うん…」
し「きっと刀鍛冶の里に行っている間に分かると思いますよ。
さ、食べましょう!今日はアオイが魚を煮てくれましたよ。」
「…だといいな。
わぁ!美味しそう!アオイちゃんのご飯大好き!」
嬉しそうに箸を伸ばす泰葉を見てしのぶは安堵した。
し(しかし、あの男…
本当に何者なのかしら…)