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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第24章 刀鍛冶の里



トントン

襖の叩く音がする。

千「泰葉さん、今よろしいですか?」

千寿郎だ。2人はとりあえず手を離した。

「はい、どうぞ」

スッと襖が開く。

千「泰葉さん、今日は図鑑を一緒にみれ…て…」

だんだんと、語尾が消えていく千寿郎。
千寿郎の目に映るのは、寝巻き姿で、一組の布団の上に向かい合わせに座る2人。

千「あ、兄上…。いらっしゃったのですね。
あ…僕…その…」

顔を真っ赤にしてしどろもどろだ。
その様子に、流石に察した2人。

杏「千!違うぞ!大丈夫だ、落ち着け!」

「そ、そうよ!ただお話していただけだから、入ってきて大丈夫だったからね!」

必死に釈明をして、誤解は解かれた。






しかし、杏寿郎は自室に引っ張られていき…

千「兄上!女性がお泊まりになられる部屋に入っていくのはどういうことですか⁉︎
しかも、布団の上に座って!!あれは泰葉さんがゆっくり休まれるために敷いてあるのです!
嫁入り前の女性のお部屋には、恋仲などでない限り入ってはいけないと教わりませんでしたか⁉︎」

杏「…すまん」




…と、千寿郎にこってり絞られた。


千寿郎も自室に連れていっただろう…と抗議したかったのは内緒である。




ーーーーーーーー

一方で

泰葉は眠れたものでは無かった。
自分の寝転がっている布団で、確認のためだとしても杏寿郎に押し倒されたのだ。
目の前には天井。
しかし、先程は杏寿郎の顔が確かにここにあった。
真っ直ぐに泰葉を捕らえ、欲を孕んだ男の目。


最も簡単に束ねられてしまった手首にはまだ、杏寿郎の力強さが残っている。
痛くはない、優しさがちゃんと感じられた。


あのまま…

それでも良いと思っていた自分がいる。



「はぁ。」


杏寿郎は自分の身を守ることができるのかを確認しただけだ。
その気になれば、あのまま唇を重ねることもできたのに…

離れていったということは…。



少しだけ涙が滲む。
困ったな…





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