第23章 危険
杏「…?どうかしたか?」
泰葉の様子がおかしいと気づいた杏寿郎。
「あ、あの…前を閉めていただけると…」
泰葉が精一杯で伝えると、ハッとしたように前を閉じる。
杏「失礼した!しかし、まさか照れているのか?
こんな色気のないものを見ても、何とも思わないだろう?」
むしろ、色気しか感じないと泰葉は心の中で抗議する。
杏「俺が死にかけた時も見たのだろう?」
「あ、あれはそんな余裕もありませんでした!」
泰葉の反応がおかしかったのか、杏寿郎はくくくと笑う。
杏「そうかそうか、泰葉さんは俺の体でも恥じらってくれるか。宇髄なら色気の塊だから、分かるがな。」
「揶揄わないでください!」
すまんすまん、と言いながら笑いを落ち着かせる杏寿郎。
ふぅ、と一息ついて今日の帰りのことを話し出した。
杏「泰葉さん、あの金崎という隊士のことを教えてくれないか。」
泰葉は頷いて、今までのことを話し出した。