第22章 目覚め
翌日、泰葉が蝶屋敷の近くまで来ると、門の前に2つの人影が。
1人は桃色の髪の毛。
もう1人は長い黒に毛先が白群色の髪の毛。
蜜璃と無一郎だった。
2人は泰葉に向かって大きく手を振っている。
泰葉も、手を振り2人に駆け寄った。
「おはよう!任務の帰り?お疲れ様。」
蜜「うん、家に帰る前に泰葉ちゃんに伝えようと思って。
刀鍛冶の里、明後日行こうと思ってるの。だから、そのつもりでいてね!
しのぶちゃんには話もしてあるから!
帰りは、私の刀が出来次第かなぁ…。」
「そうなのね!楽しみ…と言って良いのかしら。」
無「僕も行くんだ。僕は明日行くみたいだけど…。
泰葉が来るの待ってるね。」
「うん、向こうで会いましょう!」
蜜「じゃぁ、明後日。ここで待ち合わせましょう。
時間はいつも通りの10時で大丈夫よ!荷物は必要最低限で。お着替えとかは向こうにあるから、身軽で来てね!」
そう言って、それじゃ、と2人は自分の屋敷に帰っていった。
泰葉はそれを見送り、蝶屋敷へと入っていく。
いつもの白いワンピースに着替えて、髪を一つにまとめる。
今日は採血の日。しのぶの待つ診察室へと向かった。
コンコン
し「はい、どうぞ。」
「しのぶさん、おはよう。」
し「おはよう。今日の体調は?」
「体調は大丈夫よ。さっき、蜜璃ちゃんと無一郎君に会ったの。」
しのぶはニコニコしながら泰葉の腕を取る。
し「刀鍛冶の里の件ね?」
消毒をして、採血用の注射器を準備する。
「うん。あの…本当に行っても良いの?」
し「お館様も許可してくださったし、私たちも泰葉さんを信用しているから。
こんなに血をいただいて。その労いとして、温泉でゆっくりしてくると良いわ。」
しのぶは、泰葉の血を抜きながら答える。
し「それに、もう少しでとても有効なお薬ができそうなの。これがあったら、だいぶ私たちも優勢に立てると思う。全ては泰葉さんのおかげよ。ありがとう。」
しのぶは抜いている血に視線を向けながら、優しい声で話す。
「ううん、私…血を渡してるだけで何もしていない。鬼殺隊の皆さんが頑張っているから、今の人々の暮らしがあるんだわ…。」
しのぶは、眉を下げて首を振る。