第22章 目覚め
炭「…煉獄さんには、会ったんですか?」
「うん…治療室にいらしたから。」
炭治郎はしょぼんとしていた煉獄を思い出す。
炭「俺がいるうち、また来れば泰葉さんとも話せるだろうってお二人は帰ったんですけど…、煉獄さんはよっぽど泰葉さんに会いたかったんですね。」
にへっとした笑いを浮かべる炭治郎。
炭治郎の話を聞いて、一気に真っ赤になる泰葉。
その時、ブワッと香る。
炭(恥ずかしさと嬉しさの香り…。)
炭「…もしかしてですけど。
泰葉さんと煉獄さんって恋仲とか…ですか?」
「へ⁉︎」
なんとも間の抜けた返事をする泰葉。
「違うよ!そんなわけないじゃない、5つも歳が上の女を好きになるわけないでしょう⁉︎」
炭治郎は首を傾げる。
炭「年齢は関係ないと思います。人を好きになるのが何歳だからダメなんて、決まりもないです。」
泰葉は実弥に言われた言葉を思い出した。
『それを決めるのはお前じゃねぇだろォ』
(そうだ…。
決めるのは杏寿郎さん。でも…私…。)
炭「俺はお似合いだと思いますよ。応援します!」
「炭治郎くん、ありがとう…。でも、なんだか恥ずかしいからこの辺にしておくね。」
泰葉は真っ赤になりながら立ち上がった。
炭「あ、余計なことを言ってしまってすみません…。
俺鼻が利くから、人の感情も分かるんです。」
泰葉はギョッとした。
…ということは、炭治郎には嘘もつけないという事だ。
「炭治郎くんには参りました…。
もし、聞いてほしいことができたら、その時は聞いてくれる?」
炭「はい!」
炭治郎がにこりと笑うので、泰葉も笑顔を返して、また明日、と部屋を出た。