第22章 目覚め
翌日、炭治郎の元には天元の姿があった。
天「いやー!無事に意識が戻って良かったなぁ!
ずっと目が覚めてねぇっていうから地味に心配したんだぞぉ!」
バシバシと炭治郎の背中を叩く天元。
「あはは!ありがとうございます。いてて…
でも、やっぱり宇髄さん凄いですね!あの怪我でもう回復なん…てぇ!」
炭治郎は天元の目と腕を見て驚いた。
炭「目…目と、腕…は…」
天「これか!これは泰葉に治してもらったんだ。
あいつの血でミシミシ腕が生えてきてさ…」
炭治郎はその話を聞いてギョッとしている。
天「あ…?お前、まだ聞いてなかったのか?」
天元がキョトンとしていると、病室のドアが開いた。
し「そのお話は今からしようと思っていたのですよ。」
しのぶがいつもの笑顔で入ってきた。
し「炭治郎くん。無事に目が覚めてよかったです。
お気づきかもしれませんが、貴方に外傷は何一つ残っていません。」
炭「はい。過去の傷跡はありますが、今回も深い傷を負ったのにおかしいと思ってはいたんです。」
し「炭治郎くんも泰葉さんの血をもらいましたからね。」
炭「泰葉さんの血…?輸血とかですか?」
し「いえ、口に入れました。
泰葉さんには不思議な能力があります。炭治郎くん達が見た、優れた戦闘能力。そして、治癒能力です。」
炭治郎はしのぶの話に、必死についていこうとしている。
天「泰葉の身体から出るものは、なんでも治癒の効果があるらしいぜ。
特に血液。俺らはその血液を頂戴したってわけだ。」
炭治郎は天元の言葉にピンときた。
炭「…!だからあの時、煉獄さんは傷が治って息を吹き返したんだ!」
天「そういうこった!派手に羨ましい能力だぜ!」
し「…そういうことです。
そして、その能力を鬼殺隊のために提供してくれることとなり、今は提供とお手伝いをしてくれている…というわけです。」
炭治郎は、なるほど…と頷いた。
炭「煉獄さんも足を痛めてましたよね?煉獄さんも、治してもらったんですか?」
そういう炭治郎の言葉に、天元としのぶは顔を見合わせた。
天「それは煉獄に直接聞くといい。もうすぐ…」
と、言っていると…
ダダダ…と、足音が聞こえてくる。
コンコン、ガラッ!
杏「竈門少年!目覚めたか!!」
3人はポカンとした。