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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第20章 柘榴



善逸は、その時初めてしのぶ達の存在を知ったようだった。

善逸は力なく立ち上がり、少しびっこを引いて歩いた。
しのぶは善逸がいた場所に行き、炭治郎を見る。
寝息を立ててはいるが、目を覚ます気配はない。


しのぶと泰葉は顔を見合わせ、頷いた。
赤い液体の入った小瓶を取り出すと、善逸がそれに気がついた。

善「しのぶさん、それ…何ですか?」

し「これは、泰葉さんの血液です。」

善逸は目を見開く。

善「ま、待ってください!血って…炭治郎達、鬼になっちゃったんですか⁉︎鬼の毒を喰らったから⁉︎」

善逸は動揺している。

し「善逸くん、落ち着いてください。
炭治郎くん達は鬼になどなっていませんよ。
泰葉さんの血液は特別なもの。薬のようなものです。」


善逸には何のことか分からなかった。


しのぶは、善逸がとりあえず落ち着いたのを確認して、炭治郎の半開きになった口に数滴の血液を落とした。

しかし、一見変化はない。


し「しばらく様子を見てみましょう。
次は伊之助くんです。」


しのぶは伊之助の口にも数滴の血液を落とす。
伊之助は傷は深いものの、炭治郎よりは重体ではない。

そのためか、すぐに効き目が出たようだ。
伊之助の眉間に皺が寄る。


伊「ん…」

ゆっくりと伊之助の目が開く。
しのぶはすぐに手首に手を当て脈を図った。
善逸も、これには驚き伊之助に駆け寄る。


善「伊之助!お前大丈夫か⁉︎生きてるか⁉︎」

今にも泣きそうな善逸。
しかし、伊之助の目覚めはそんな感動的なものではなかった。


ガバッと起き上がる。

伊「腹減った!!なんか食わせろ!!!!」


目覚めた第一声がそれとは…
3人はぽかんとした。




ーーーーーーーーー


炭治郎はまだ目が覚めないが、とりあえず落ち着いたので、しのぶは泰葉の血液について善逸に説明をした。

伊之助はアオイが作ってくれたおにぎりを、ポイポイと口に投げ入れていく。


善「泰葉さん、強いだけじゃなく、そんな力もあったんですね。」

俄には信じがたい話だが、目の前で伊之助も目覚めている。
善逸もその事実があり、すんなり受け入れられたのだろう。




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