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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第3章 蝶屋敷


次第に綺麗な紫の瞳に涙が溜まっていく。

何かまずい事をしてしまっただろうか…

「…!蝶?私が蝶を触ってしまったから?」
慌てて尋ねると、しのぶの目からポロッと大粒の涙が落ちた。

し「違うの…ごめんなさい。」
首を振るしのぶ。
し「蝶のことではないですよ。
泰葉さんが微笑んだ姿を見て、大好きだった姉を思い出してしまったんです。」

しのぶは、姉のことを話し始めた。

彼女の姉も柱だった。
美しくて強い人だった。そして、誰より優しかった。
鬼にも情けをかけてしまうほどに。
人間と、鬼が仲良くなれたら良いのに…
それが口癖だった。

し「そんな姉も鬼に殺されたのです。
鬼は護身の為に嘘ばかり並べる。そんなの許されるはずがない。」

しのぶは悔しそうだった。

そして、彼女は姉の意志を繋ぐ為、姉の好きだった笑顔を張り付けていたのだという。

泰葉はしのぶを抱きしめた。
しのぶは正直「辛かったね」「可哀想」など同情の言葉が来ると思っていた。そんなのは慣れてしまっている。

しかし、泰葉が口にしたのは違う言葉だった。
「本当のしのぶさんは…どんな人だった?」

しのぶは目を見開いた。
私はどんな人だった…?
短気で怒りっぽくて…
姉さんが好きで…
姉さんが大好きだった。

しのぶはポロポロと泣いた。
泰葉は落ち着くまで抱きしめていた。






しばらくすると、落ち着いたしのぶ。
「泰葉さん、ありがとうございました。
最近、自分を見失うことが多くあったんです…。
でも、あなたに救われました。」

「いいえ、色々話してくれてありがとうございます。また心が崩れそうだったら、いつでも抱きしめますよ。」
泰葉は茶目っ気を含めた。

し「勝手ながら、泰葉さんを第二の姉と思っています。
仲良くしていただけますか?」

こんなに嬉しい申し出はないだろう。

「喜んで!いつでも来てください。」
泰葉はにっこり微笑んだ。
しのぶは同性ながらも、その笑顔に顔が赤くなるのを感じた。

「泰葉さん、男性の前ではあまり笑わない方がいいかと…!」

泰葉は頭に?を浮かべた。




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