第19章 行き違い
杏寿郎は固まった。
泰葉に会いに来たのに、泰葉は休みだった…。
杏「そ、そうか!変わらず元気ならいいんだ!
あの手紙を見て、嫌な気持ちになってやしないか心配だっただけなのでな!」
あまりに分かりやすい杏寿郎。
し「煉獄さんなら、甘露寺さんも歓迎されるんじゃないですか?
お伺いしてみるといいですよ。」
杏「そうだな!甘露寺とも久しぶりに話もしたいしな!
行ってみるとしよう!ありがとう胡蝶!」
そう言って、杏寿郎は歩き出して行った。
しばらくして、蝶屋敷を訪れたのは、
実弥、義勇、無一郎。
皆泰葉は休みだと伝えると、踵を返して行った。
し「もう!何なんですか、どいつもこいつも!!」
暇なはずなのに、しのぶは疲れていた。
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泰葉と蜜璃は、スイートポテトを焼いている間に、
さつまいものきんぴらを作っていた。
蜜「そっかぁ!泰葉ちゃんが煉獄さん家で作っておいたやつだったのね!
煉獄さんのおにぎりに入っていて、とても美味しそうだったの!
それにね、いつもなら、分けてくれたり、交換してくれたりするんだけど、あげられないって言ってたの。
あ、私も欲しくていったわけじゃないんだけどね、煉獄さんは優しいから、分けてくれるの。」
「そうだったのね。
喜んでもらえてるなら良かったわ。
いつも煉獄様はうまい、うまいって言ってくれるから、作りがいがあるわよね。」
そうして、出来上がり蜜璃が味見をする。
蜜「本当!美味しいわ!
これでご飯がいくらでも食べられちゃう!!」
泰葉はニコニコしながら蜜璃を見ていた。
蜜(煉獄さんは泰葉ちゃんが作ってくれたやつだから、あげたくなかったんだわ!)
きんぴらは入れ物に移して、お菓子作りの続きをした。
クッキーもスイートポテトも出来上がり、粗熱をとっている。
その間にパンケーキと、ワッフルを焼いた。
蜜「クッキーは明日にでも配るから、我慢しなきゃ。」
そう言いながらも、1枚ずつは味見として食べた。
サクサクして、とても美味しかった。
パンケーキと、ワッフルには甘露寺邸の特製蜂蜜をたっぷりかけて、バターを溶かして出来上がり。