第19章 行き違い
泰葉は蝶屋敷に向かっていた。
最近泰葉はワンピースを着ている。
蝶屋敷では、支給された白いワンピースを着ているので、着替えがしやすいようにするためだ。
今日も天気がいい。
今日は忙しいかな…?
などと考えながら歩いていると、前から走って来る女性。
ピンクの髪が揺れている。
あれは…
「蜜璃…ちゃん?」
蜜「泰葉ちゃーん!!」
蜜璃は手を振りながら走ってきた。
何とも胸元が溢れ出そうだ。
「わ!わ!蜜璃ちゃん、走らなくていいよぉ!!」
泰葉も思わず駆け寄った。
蜜「泰葉ちゃん、今日はお休みですっ!
今から私のお屋敷に行きましょうっ!」
泰葉は、ポカンとした。
え?
お休み?
「しのぶさんが?」
蜜「そうよ!朝、包帯をもらいに行ったんだけどね。最近忙しかったでしょう?
だから、息抜きしてほしいって、しのぶちゃんからのお願いよ!
で、もし良かったら私のお家でお菓子作りでもどうかなぁ…って。」
しのぶ達も、毎日忙しいだろうに…と思ったが、蜜璃の屋敷でお菓子作り…
何て魅力的なお誘いなのだろうか!
「毎日忙しいしのぶさん達には申し訳ないけれど…
お言葉に甘えて、蜜璃ちゃんのお家にお邪魔しちゃおうかなっ!」
泰葉が、にっこり答えると、蜜璃は泰葉の手を取った。
蜜「やったぁ!じゃ、いろいろ材料とか買っていきましょう!
いっぱい作って、柱のみんなにお裾分けしなくちゃ!」
泰葉は、蜜璃はやっぱり天真爛漫でかわいいなぁと思った。
(これで、蜜璃ちゃんを想ってるのが伊黒様だけなんて…信じられない。)
そして2人は商店街に向かって歩き出した。
その日の蝶屋敷は最初は泰葉目的の隊士が数名やってきたが、休みだということが瞬く間に広がり、暇なくらいになっていた。