第18章 恋情
杏寿郎の隣に要が並ぶ。
杏「要!今日は他の隊士が何名いる?」
要「隊士ハ 他10メイ!
3メイ 負傷!3メイ 負傷!」
杏「…っ!負傷者がいるのか!では急がなくては!」
杏寿郎は走る速さを上げた。
しばらくして、小さな町が見えてきた。
あそこか。
町まで着くと、鬼の気配が強くなる。
どこだ…どこにいる。
すると、1人の隊士が駆けつけた。
隊「炎柱様!今回の鬼は大元が1体。
しかし、自分の身が危険になると最大3体に分身します。
血鬼術はまだ確認できていません!」
杏「ありがとう!良く持ち堪えてくれた!」
杏寿郎は隊士の肩をポンと叩き、案内され鬼の元へと急いだ。
隊士数名の中心に、その大元の鬼がいた。
『お前たちじゃ美味くないんだよナァ…
子供…コドモを、喰いたい…』
大きな口をニタァと歪ませ、
涎を垂らしている。
杏「罪なき子供を喰らうとは!
許されることではない!」
ギッと鬼を睨みつける。
『お前…柱カァ?
柱は喰っておかなくちゃナァ。』
鋭く尖った爪を立て、長く不自由そうな腕を杏寿郎に振りかざした。
キンっと鍔を弾く。
杏「俺はこの大元を相手しよう!
君たちは、連携をとり分身した2体を頼む!
おそらく、それぞれの頸を取る必要がある!
行けるか⁉︎」
隊「「はい!!」」
隊士達の返事を確認すると、
ゴウッと闘気を放つ。
杏「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天!!」
杏寿郎めがけて振り下ろされた腕を斬り落とす。
ドシャッ
腕がおちると、そこから身体が生えてくる。
杏「来るぞ!分身だ!」
.
その腕は、頭と身体を持ち、隊士に向かって襲いかかる。
大元の鬼は腕を回復させながら、杏寿郎に喰いかかってくる。
杏「炎の呼吸 壱ノ型 不知火!」
鬼の頸を狙ったところで、腕で庇われてしまった。
また切り落とした腕から一体が生まれる。
隊士達は、複数人数で分身に立ち向かう。
杏「これ以上にはならない筈だ!
次で仕留める!気合いを入れろ!」
隊「はいっ!」
杏寿郎は、鬼を見据える。
『あと3人…あと3人喰えば俺は十二鬼月に入れてもらえる…』
杏「ほぅ、それはよかったな。
しかし、残念だ。お前の命は…今日で終わりだ!
炎の呼吸 壱ノ型 不知火!」