第16章 歓迎会
さて、蝶屋敷の前。
ここで、一つ揉め事が起きていた。
それは、泰葉を誰が宇髄邸まで運ぶか問題。
「あ、あの。
私頑張ってついて行きますから…」
泰葉は戦闘時には早く移動できる事を知っている。
しかし、戦闘時では無い時にそれが可能かは分からなかった。
だが、その声は柱達には届いていない。
杏「今日も本部まで俺が連れてきている!俺の方が安心だろう!」
実「今日連れてきたんなら他に譲れェ。」
天「お前ら、これから俺ん家行くんだぞ。
俺が派手に連れて行った方が良いに決まってんだろ!」
無「俺だって泰葉のこと…抱っこしたい。」
義「…俺は静か(に走る事ができる)だぞ。」
蜜「私だって泰葉ちゃんと一緒に移動したいわ!」
しのぶも名乗りをあげたかったが、
腕力が弱いため辞退した。
埒があかない揉め事に、しのぶが提案する。
し「下心を持った男性陣には任せられません。
ここは、女性の甘露寺さんか、下心のない悲鳴嶼さんにお願いしましょう。」
下心なんて…!と、思ったが
男性陣は胸に手を当てる。
無…いや、有るか?
行「泰葉は私なんかより、同性の甘露寺の方が良いだろう。
甘露寺、連れて行ってあげなさい。」
行冥に言われて、目を輝かせる蜜璃。
蜜「やーん!いいんですかぁ⁉︎
泰葉ちゃん、一緒に行きましょう!」
そう言うと、蜜璃はヒョイっと泰葉を横抱きにする。
「あ、あの…重く無い…ですか?」
杏寿郎達男性陣は腕も筋肉質で、鍛え抜かれているのが分かる。
だから、少し重くても大丈夫なのだろうと思っていたが、
蜜璃の腕は、どう見ても細腕だ。
蜜「全然重く無いわ!
私、普通より8倍筋肉があるみたいなの!
だから、危なくなければ泰葉ちゃんを片手で持てるわ!」
普通より8倍の筋肉。
知識が足りず、想像ができない。
しかし、力持ちなのだろう。
「こんなに可愛らしいのに、力持ちって…素敵ですね!」
泰葉はニコッと笑って言うと、蜜璃は顔を真っ赤にして
蜜「きゃー!かわいい、可愛いわぁ!!
宇髄さん、早く行きましょう!このままだと、連れて帰りたくなっちゃう!!」
それを聞いて
蜜璃ならやりかねない、と、柱達は急ぐ事にした。