第15章 柱
天「泰葉には、まだまだ隠された魅力があるぜ。」
いつの間にか天元は音もなく現れた。
しのぶと泰葉を挟むように立ち、泰葉の肩を抱く。
それにまた杏寿郎はピクリと反応した。
天元はその反応を見逃さず、面白がっている。
天元はふと、泰葉に視線を下ろすと、遊廓の時とはまた違った泰葉であると気づく。
頭から爪先まで舐めるように見る天元。
泰葉は急にどうしたのかと首を傾げた。
天元はその仕草にブワッと赤くなる。
(なんだ今の!派手にかわいいじゃねぇか!!)
天「いや、あの時は色っぽかったが、今は随分と上品になったもんだなと思ってな。
…やっぱ、お前4人目の…」
「「宇髄!!!!」」
今度は杏寿郎と、実弥まで殺気を飛ばしている。
その様子を見て、しのぶはため息をついた。
し「さぁ、ここにいたのでは死人が出てしまいそうです。
泰葉さん、蝶屋敷へと向かいましょう。」
しのぶがにこりと笑って泰葉の手を取った。
「はい、行きましょう!」
その笑みに返事をするように
泰葉も笑顔を返した。
しのぶと泰葉が手を繋ぎ、蝶屋敷へと向かって歩き出す。
蜜「きゃーん!なんて可愛い2人の後ろ姿なのかしら!
私も泰葉ちゃんと、しのぶちゃんと手を繋いで歩きたいわぁ!!」
泰葉達の向かう方向とは逆の所から蜜璃が現れた。
その後ろには小芭内。
天元は先程の2人の様子を揶揄う。
天「おぅおぅ、煉獄も人間になってきたなぁ!!
可愛いじゃねぇか!」
杏「む!俺は最初から人間として生まれているが!!」
天「そう言う事じゃねぇよ!
な、不死川。お前も久しぶりに感情湧いたみてぇだし?」
実「…チッ」
ニヤニヤとしながら杏寿郎と実弥の肩を抱く天元。
天「…しかし、泰葉は俺がもらう。」
急に真面目な声色で告げる。
杏「なっ…!」
実「…!」
そして、
「その戦い、僕と冨岡さんも参加するからね。」