第15章 柱
〜実弥視点〜
後ろから煉獄の声がする。
相変わらず声がでけぇ。
振り返ると、煉獄の隣には女。
あいつが女を連れて歩いてるのは珍しい。
そして、どうしてここに関係ないやつが…
おれは、近づいてくる2人を見て固まった。
その女は、竈門たちと一緒にいた…
泰葉と言ったか。あの女だ。
あの時笑った顔が頭から離れなくなった。
でも、今日はその時とはまた別な雰囲気だ。
こんなに大人っぽかったか?
化粧のせいか?
「西ノ宮泰葉と申します。」
泰葉が笑って、頭を下げた。
ホラ。やっぱり笑うとそうなんだな。
かわいいとか、美しいとか、そういうのとはまた違って
惹きつけられる。
杏「俺を救ってくれた女性だ!」
あぁ、そうだったな。
こんなんで強いんだってな。
一度戦ってるところを見てみたいもんだ。
「よろしくなァ」
柄にもなく、握手を求めてみた。
どんな手をしてるか確かめたかった。
「よろしくお願いします」
手を握り返す泰葉。
その手は俺の手より小さく、
とても強いとは思えない。
柔らかくて、温かい。
なんだろうな.この感じ。
杏「もういいんじゃないだろうか!」
煉獄の声で我に帰る。
あー、ぼーっとしちまった。
煉獄を見ると、僅かながらに殺気を飛ばしている。
…こいつ、まさか。