第15章 柱
杏寿郎は、その姿に気づき声をかける。
杏「む!あれは…
不死川!不死川ー!」
杏寿郎の大声でビクッと肩を震わせ、振り向く男性。
顔には大きな傷がついている。
『あ゛ァ?ったく、声がデケェんだよォ。」
少し迷惑そうな表情だ。
それに構うことなく杏寿郎は、近づいて行く。
泰葉は、正直関わってはいけない気がしていた。
何というか、全体的に物騒だ。
と、思っていたが
杏「泰葉さん、紹介しよう!
彼は、風柱の不死川実弥だ!」
泰葉は彼も柱だと聞いて安心した。
勝手に柱はみんな良い人だと思っている。
杏寿郎に、しのぶ、天元と良い人たちだった。
ニコッと笑って
「はじめまして。西ノ宮泰葉と申します。」
と挨拶をする。
しかし、相手からの反応がない。
というか、振り返ってから固まったままだ。
「あ…えっと…」
不審がられているのだろうか。
自分のことを説明しようとも、どう説明して良いのか分からない。
すると、杏寿郎がフォローする。
杏「泰葉さんが、俺を助けてくれた女性だ!」
そう言われて、ハッとする実弥。
実「あぁ、話は聞いている。
よろしくなァ。」
実弥は握手をしようと手を差し出した。
ほら、やっぱり良い人だった。
「不死川様、よろしくお願いします。」
泰葉は、実弥の手を取り握手をする。
少し実弥の頬は赤く、照れているようだ。
実弥はまた、動かなくなってしまった。
握手をしたまま。
泰葉は自分から手を引いてしまうと、失礼だろうと思い手を動かせない。
いつまでも、握手し続ける2人が気になる杏寿郎が、痺れを切らした。
杏「握手はその辺にして、もういいんじゃないだろうか!」