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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第13章 能力



智「はい。だから、泰葉はその許婚がそうなのだと思います。」


泰葉を治癒できるのは、適合者の身体に流れるもの。
言わば、『運命の相手』と、言えるだろう。


杏寿郎は肩を落とす。
今回、口移しをしたことにより泰葉の傷が治ったとするならば…と思った。
しかし、その適合者とする許婚が既にいる。
では、今回は何か違う理由なのかもしれない。


杏「そう…ですか。」

杏寿郎の様子に周りは不思議に思った。





しばらくして、
槇寿郎が口を開く。
「泰葉さんの父、紀彦殿は一度だけ
その侵してはならぬことを私に申し出てくれたことがある。」


杏「…まさか…」


槇「あぁ、妻である瑠火の病気の治癒だ。」



杏寿郎と千寿郎の2人は言葉を失う。

槇「幼い2人を残して、母を亡くす事がどれほど辛いか…
自分には5回の猶予がある。
だから、血を提供させて欲しい。
そう言ってくれた。


しかし、瑠火はそれを断った。
5回とはいえ、道理を背いてはいけない。
運命を受け入れると。
そして、いつまでも家族を見守ると…。」


智「その事は、いつまでも気にかけていました。」


槇「まさか、寿命の半分を賭けていてくれたとはな…

むしろ、幼い息子達よりも俺が塞ぎ込んでしまった。」


なんともバツの悪そうな顔をする。


槇寿郎の表情を見て泰葉は、

「最愛の方が亡くなれば、誰でも塞ぎ込むはずです。
それからの杏寿郎さん達を思うと、寂しいですが、それほどの愛を持っておられた…そうでしょう?」



それを聞いて杏寿郎の表情は明るくなる。
杏「あぁ!私もそう思う!
いつか自分も愛する人を父と母のように想い合っていきたいと思う!」


その言葉を聞いて、槇寿郎と千寿朗は目を丸くした。
今まで恋だの愛だのを口にしたことが無かったのだ。


そして、花枝は「あらあら…」と、笑った。



智「…これで、私たちの知る西ノ宮の一族については全てでございます。」


智幸の一言で締められた。



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