第13章 能力
煉獄家に着くと、千寿郎が出迎えた。
千「兄上、泰葉さん、お待ちしておりました!
皆さんは客間の方でお待ちです。」
泰葉は杏寿郎に降ろしてもらい、身だしなみを整え、槇寿郎と両親が待つ部屋へと向かった。
それに杏寿郎も続く。
千寿郎はお茶の用意をしに行った。
客間の前につき、杏寿郎が声をかける。
杏「失礼します!泰葉さんをお連れいたしました!」
槇「入りなさい。」
そう声がして、杏寿郎は襖を開ける。
すると、本当に泰葉の両親がそこに座っていた。
杏寿郎に促されて、泰葉が部屋に入る。
両親は目に涙を浮かべて立ち上がり、泰葉を抱きしめた。
『あぁ!泰葉、無事で良かった…』
両親を抱きしめ返しながら泰葉は声をかける。
「わざわざ来てくれてありがとう。
でも、煉獄家の皆さんが驚いてるわ。
とりあえず、座らせていただきましょう?」
娘である泰葉にそう促されて、両親は少し恥ずかしそうに元の場所に座った。
泰葉も母の隣に座る。
『取り乱してしまい、お恥ずかしい。
申し訳ありません。』
両親が頭を下げる。
槇「いえ、子を心配しない親などおりません。
後ででも、ゆっくり過ごされるといい。」
杏寿郎は父の『子を心配しない親などいない』という言葉を噛み締めていた。
千「失礼します。
お茶をお持ちいたしました。」
千寿朗が茶を並べる。
槇「今回の話には息子達は同席しても?」
泰葉の両親は頷いた。
『もちろんでございます。
泰葉が、煉獄家の皆様と関わりを持っている以上、話を聞いていただきたい。』
槇「千寿郎、ありがとう。
お前もこちらへ座りなさい。」
そう言われて、千寿郎も杏寿郎の隣に座る。
『申し遅れました。
改めまして、泰葉の育ての父の
今宮 智幸(いまみや ともゆき)
と申します。』
『妻の
花枝(はなえ)
と申します。』
2人は三つ指をついて頭を下げた。
槇「煉獄 槇寿郎です。
隣が長男の杏寿郎、その隣が次男の千寿郎です。」
紹介に合わせて兄弟は頭を下げた。
智「今回、こちらに突然お伺いしましたのは…」