第11章 救出
伊「それはどうかな⁉︎」
杏寿郎の言葉を遮るように、伊之助の声が響く。
伊「俺を忘れちゃいけねぇぜ!
この伊之助さまと、その手下がいるんだぜ!」
妓「なんだ、こいつら」
天元の上から、ぱらっと小さな瓦礫が落ちた。
炭治郎が上から天元達の前に降り立つ。
禰󠄀豆子の入った木箱を背負って。
妓「全員死ぬのにそうやって瞳をキラキラさすなよなあぁ。」
その瞳をみて痒くなったのか、体をぼりぼりと掻く妓夫太郎。
炭治郎は状況を読む。
鬼が2人になっている…
帯鬼も死んでいない。
本体は間違いなく、男の方だ。
…手が震える。
疲労からだろうか。
それとも 恐れ
いや、それでも
それでも俺は、俺たちは!
すると、震える炭治郎の刀を持つ手を杏寿郎がグッと握った。
天「勝つぜ。俺たち鬼殺隊は。」
堕「勝てないわよ!頼みの綱の柱の1人が毒にやられてちゃあね!」
毒⁉︎ と、炭治郎は天元を見る。
杏「うちの音柱を、甘く見ない方が良い!!」
天「そうだ!余裕で勝つわボケ雑魚がァ!
足枷あってトントンなんだよ!
人間様を舐めんじゃねぇ!!
こいつらは3人とも優秀な俺の 継子 だ!
逃げねぇ根性がある!!」
杏「何⁉︎宇髄…いつのまに!!」
伊「フハハ!まぁな!!」
伊之助は少し嬉しそうだ。
天「そして、テメェらの倒し方は既に俺が看破した!
同時に頸を斬ることだ。2人同時にな、そうだろ!!」
炭治郎は天元の姿に、杏寿郎と似ているものを感じた。
伊「グワハハ!なるほどな!
俺たちが勝ったも同然だな!」
その言葉に妓夫太郎はニヤリと笑う。
妓「その簡単なことができねぇで、鬼狩りは死んでったからなぁ。」
堕「そうよ!夜が明けるまで生きてた奴はいないわ!
長い夜はいつもアタシたちを味方するから
どいつもこいつも死になさいよ!」
そういうと、堕姫は屋根の上へと飛び上がった。
それを真っ先に追ったのは
炭「善逸!!!」
伊「みみず女は俺と寝ぼけ丸に任せろ!
お前らはそのカマキリを倒せ!分かったな!」
炭「気をつけろ!」
伊「おう!」
杏「俺もそちらに加勢しよう!
宇髄、身体は大丈夫か⁉︎」
天「あぁ、問題ねぇ!!!」
その答えを聞き、杏寿郎は善逸達の元へ向かう。