第2章 無限列車
杏「俺が間合を詰めてヤツの足を切り、頸を狙う。君は彼の腕を封じてくれ!」
泰葉は頷き、杏寿郎に合わせて動き出した。
杏寿郎が猗窩座との間を詰める。
足を細かく斬撃を入れる
泰葉は猗窩座の後ろに回り込む。
そして両腕を押さえ込んだ。
猗「…っ、くそっ!」
おそらく青年の身体は既に限界だろう。
この一撃で鬼の頸を斬らなければ、動けなくなる。
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杏寿郎は母との記憶を見た。
杏寿郎。
なぜ自分が人より強く生まれたか…分かりますか?
弱き人を助けるためです。
弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務です。
責任を持って果たさなくてはならない使命なのです。
決して、忘れることなきように…
強く、優しい子の母になれて幸せでした。
あとは頼みます…
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杏寿郎は刀を強く握りしめ、猗窩座の頸を斬りに掛かる。
「うおおおお!!!」
猗窩座の頸に刃が刺さる。
最後の力を振り絞る杏寿郎。
夜明けが近い。
猗窩座の足が再生された。
しかし、猗窩座は焦っている。
日の光に当たってしまえは死んでしまう。
猗窩座は杏寿郎の脇腹を狙って蹴りを入れようとする。
それを片手で止める杏寿郎。
猗(片手で受け止めた⁉︎まだそんな力が残っているのか⁉︎)
驚いたのは泰葉も同じった。
まずい、青年の身体は限界を超えている。ただでさえ、内臓にもひどい損傷を受けている。頸を斬りにかかっている腕も目一杯の力だ。これ以上力を振り絞れば、次こそ命がない。
「…青年!ダメっ!…それ以上は…!」
泰葉は叫んだ。
オオオオオオオ!!!!
逃げようと、必死に身を捩る猗窩座。
逃がすまいと力を込める杏寿郎。
2人の雄叫びが上がった。
炭「伊之助、動けー!!
煉獄さんのために、動けー!!!!」
炭治郎の声に、ハッとする伊之助。
伊「獣の呼吸 壱ノ牙 穿ち抜き!!!」
その時だった。
ドン!!ブチブチブチッ!!!
自分の腕、右足を引きちぎって逃げる猗窩座。
泰葉は前に倒れ込む杏寿郎を受け止めた。
炭「…っ!
逃げるな卑怯者!」
そして、猗窩座の身体に炭治郎の投げた日輪刀が突き刺さった。
炭「いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦っているんだ!!」