第10章 覚醒
その帯は天元によって、壁に打ち付けられていた。
天「解毒薬が効いたら吉原を出ろ。
分かったな…。」
天元はギュッと雛鶴を抱きしめる。
雛「はい…。」
そして、天元は切見世を後にして鬼の気配を辿る。
気配はどこだ…
すると、何かもの音がする事に気づく。
その場所へとすぐさま移動して地面に耳をつける。
ここだ、地面の下だ…!
しかし、地面からその場所へと通じているのは
音の反響的にもとても狭そうだ。
天元は背中に背負った二刀をバツンバツンと取り出した。
天「音の呼吸 壱ノ型 轟!!」
ドォォン
けたたましい音と共に地面が崩れる。
ーーーーーーーーーー
堕「喧しいわね。塵虫が…。
アンタ達、何人できたの?4人?」
炭「言わない!」
堕「正直に言ったら、命だけは助けてやってもいいのよ。」
堕姫は炭治郎に滲み寄る。
( このまま炭治郎くんが、1人で戦うのは無理だ…
伊之助くんや善逸くん達はどこにいるんだろう…
宇髄様も無事なのかしら…)
泰葉は考えながら、鯉夏の帯を道の端に寄せた。
間違えても踏まれないように。
炭治郎の刀は刃こぼれを起こしていた。
やっぱり俺は、水の呼吸を使いこなせない…
ヒノカミ神楽の方が合っている…
しかし、連続して使うことが今まではできなかった。
でも、今の俺ならやれるはずだ。
いや、やる!
そのために修行してきた。負けるな。
炭治郎の頭に杏寿郎が浮かぶ。
燃やせ
燃やせ、燃やせ!
心を燃やせ!!
どこかで騒音が響く。
堕姫はあからさまにイライラしている。
堕「あっちでもこっちでもガタガタし始めた。
癪に触るから、次でお前を殺す…。」
泰葉は焦った。
このままでは、炭治郎の命が危ない。
炭治郎へ帯の攻撃が迫る。
炭「ヒノカミ神楽 烈日紅鏡!!!」
堕( 太刀筋が変わった。
さっきより鋭い。)
堕姫は続けて攻撃を仕掛ける。
炭「炎舞!」
炎舞は二度の攻撃を与えられる。
一度目を外したとしても…
そう思った時、堕姫の帯が凄い速さで炭治郎を狙った。
堕「大したことないわね。
所詮この程度よ。」
帯が炭治郎の首にかかる。
その瞬間、すぐに消えた炭治郎。