• テキストサイズ

I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.


「え、こんな時間に邪魔しちゃ家族に迷惑じゃねぇ?」

流石に俺がこの時間に前触れもなく登場するのはまずいだろう、特服着てるし、なんて思って、そう返答すれば、椿木さんはまたいつものようにニコッと笑ってみせた。

「ぜーんぜん!今私しか住んでないし。……あーでもそっか、妹ちゃん達のとこに早く返してあげないとダメだね。」

そしてそう言うと椿木さんは苦笑した。

そんな彼女の笑顔が少し寂しそうに見えて、俺は無意識のうちに口を開いていた。

「あーじゃあ少しだけ上がらしてもらうわ。これから飯だろ?手伝うよ。」

それを聞いた椿木さんはまた嬉しそうに「ありがとう!」と花が咲いたように笑った。

てか、椿木さんしかいないなら、尚更男の俺なんか呼んじゃダメじゃねぇ?

椿木さんって危機感0タイプなのか…?

そもそも俺のこと全く男として意識してないとかだったら、なんかちょっと複雑…。

俺はそんな想いを胸に抱えながら、鼻歌交じりにエレベーターに乗る椿木さんの後を追った。


/ 287ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp