I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
そうすれば、たちまち、挑発に乗せられた三番隊コンビがタカちゃんに突っかかる。
その様子を私と優美ちゃんはまた始まったと言わんばかりに見遣っては苦笑した。
「…凛子、でも困ったこととかあったらクラス離れてもいつでも言ってよね!」
そんな3人を横目に、心配性な優美ちゃんはまたしても私に熱く抱擁をする。
「もう~優美ちゃんったら大袈裟!隣のクラスだし、何もなくてもすぐに会いに行くって。タカちゃんのこと、よろしくね!」
そんなこんなでわちゃわちゃしていれば、予鈴の音が鳴り響き、各自、新しい教室へと足を向けた。
中学最終学年のはじまり。
変化に伴う寂しさを少しと新年度に対する期待を少し。
そんな色んな感情がのせられた柔らかい風が私たちの間に吹き込んでいた。
この時はまだ、たかがクラスが離れるだけ。ただそれだけ。
そんな風に思っていた。