I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「やっほー!遊びに来たよ!凛子ちゃん♡」
「コイツらも着いてくるっつーから、飲み物も買ってきたぜー。あとパイ投げ用のパイ。」
玄関の扉をエマが開ければ、パイが入っているのであろうケーキ箱をもっているマイキーと、飲み物が入ったビニール袋を両手に持ったドラケン、その後ろに1番隊コンビ、3番隊コンビが続いた。
「はぁ?ナニコレ、みんな連れてきちゃったわけ?」
エマが半ば呆れたというような顔でドラケンにそう言えば、ドラケンは、「まぁ祝いの席は大勢の方が楽しいだろ?」と言ってニカッと笑った。
「わぁ、みんないらっしゃい!張り切って沢山作りすぎちゃったくらいだったから、丁度よかった!あがってあがって!」
一方、少し遅れてやってきた凛子は、想像より大勢の登場に少しびっくりしたものの、嬉しそうに中へと全員を案内した。
「…すげー!!!…これ全部凛子さんが作ったんスか?!」
「うん。ちょっとエマちゃんに手伝ってもらったりもしたけど。…みんなのお口に合うといいんだけど…。」
スペアリブ、ローストビーフ、カプレーゼ、パスタ各種、パエリア、エトセトラとリビングの長テーブルに並ぶ豪華な品々に、大きな瞳を輝かせる千冬。
凛子がその言葉に照れたようにはにかめば、他のメンバーも感心したように、それら並べられた料理の数々を眺めていた。
「なんとこの他に、凛子ちゃんお手製のフルーツタルトとオシャレなシフォンケーキもあるから♡ちなみに、ウチはすでに味見済み♡」
ふふんと得意げに笑うエマの言葉を聞いては、それぞれが、「まじ?いいね!」だとか「まじすげーっす、凛子さん!」だとか「エマずりぃー!凛子ちゃん、俺にも味見させて!」だとか騒ぎ出す。
凛子は、そんな彼らの様子を嬉しそうに眺める。
そして、場地が「三ツ谷遅くねぇ?もう俺らだけで始めねぇ?」と言ってエマに怒られた頃、ピンポーンと明るい音が響いた。
賑やかな東卍メンバーの登場により、落ち着きを取り戻した凛子が玄関のドアを開ければ、「おう、遅くなって悪ぃな。」と笑う三ツ谷と後ろでフリーズしてる八戒の姿があった。