I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「…へえ。…なんてゆーか……愛だネ♡」
エマがニヤリと笑って、凛子の横腹を小突く。
そうすれば、「へ?!愛?!」と凛子の顔は真っ赤に染まる。
「…凛子ちゃん、まだ気づかない振りするつもり?自分の気持ちも三ツ谷の気持ちも。ウチからしたら2人とも何で付き合わないわけ?って感じなんだけど。それにフツー、好きな人のためじゃなかったら、こんなに頑張れなくない?」
エマはそう言うと、ウチも一個もらっちゃおーっと言って、ブルーベリーを一つ口に放り込んだ。
「…………やっぱ恋とか、愛とかってそういうものなの?」
凛子はフルーツを敷き詰めながら、照れたようにはにかんだ。
そんな凛子の様子を眺めたエマは、いつもと様子が違う凛子に驚く。
「あれ?もしかして、凛子ちゃん、ようやく恋心に気付いたとか?」
「……えっと…その…なんていうか………」
エマが驚いて凛子にそう尋ねれば、凛子は、ぽつりぽつりと昨日感じたことをゆっくりとエマに話し出す。
「…いや、それ、完全に恋でしょ。ウチ、マイキーに彼女出来ても全然悲しくないもん。それに誰かの隣にずっと一緒にいたいなんて、好きじゃなかったら絶対思わなくない?」
「………そっ…かぁ……私、タカちゃんのこと、すき、なんだぁ………。」
凛子は顔を両手で覆うと、その場にしゃがみ込んだ。
「………………エマちゃん。………すきって、なんかすっごい苦しいんだネ。」
しばらくそのままの体制で黙り込んだ後、そう言って困ったようにエマに笑いかける凛子。
エマは、そんな自分よりも年上でいつもはしっかりしている凛子の弱った真っ赤な顔を見て、ふわりと笑った。
「へへっ、凛子ちゃん、かーわいっ!」