I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
楽しそうな2人の肩をバシバシと叩けば、パーくんとぺーくんは更に楽しそうに笑っていた。
そんな過去のやり取りに苦笑しつつ、最後のページを捲れば、今度は私からタカちゃんにあてたページが開く。
嬉しそうに笑う私と、太陽のように明るく笑うタカちゃん、おすまししたルナマナコンビ、エプロン姿のタカちゃん、デザインブック片手に真剣な表情のタカちゃん……
出逢って数か月しか経っていないにも関わらず、思い出がありすぎて一つの写真を選びきれなかった結果、沢山の写真を切り貼りしたページとなっていた。
写真たちを撫でれば、当時のことが昨日のように鮮明に思い出されて、頬が緩むのを感じる。
「……まぁ、確かに家族写真みたいなのも沢山あるか。………でも、タカちゃんのお嫁さんになる人は、きっと素敵な人なんだろうなぁ。」
タカちゃんの隣で笑う見知らぬ女性を思い浮かべてみれば、不思議なことに胸がズキズキと痛んだ。
『なぁ、椿木さん。最近、何か俺に隠してることねぇ?』
昨日、病院からの帰り道で背中越しでのタカちゃんとの会話。
『…え?隠してること?……そうだなー…あるっちゃあるけど…急にどうしたの?』
『……ん、なんとなく。最近何か椿木さんの様子、いつもと違ぇから、男でも出来たりしたかなーと思ったりして。』
『あはは!…タカちゃん、それ本気で言ってるー?』
急に変なことを言い出したタカちゃんに、ナイナイと笑って返せば、タカちゃんは『そっか、よかった』と言って安心したように笑っていた。
「…………。」
私はふぅっと小さくため息をつく。
仮にどちらかに彼氏や彼女のような存在が出来たとしたら、私達2人はどうなるのだろうか?
ふと、素朴な疑問が頭をよぎる。