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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



「……ん~、ギリギリ間に合ったぁ!!!ルナちゃんマナちゃん分は明日書いてもらってっと…。」

時刻は23:55。
” タカちゃんの誕生日まで、あと5分。 ”

手に持っていたペンを机に置き、タカちゃんの友達から集めたメッセージが内包された一冊のアルバムをペラペラとめくれば、自分宛ての手紙をもらったかのように温かい気持ちになった。

見開き1ページが1人分。
そこには、それぞれの思い出のスナップショットとタカちゃん宛てのバースデーメッセージ。

手芸部のページを見れば、タカちゃんが部員みんなにとって本当に頼もしい存在なんだなってことがわかるし、

八戒くんのページからは、溢れんばかりのタカちゃんへの愛を感じて微笑ましい限り。

他の東卍のメンバーのページのメッセージは適当な感じだけど、心から信頼し合ってる感じが伝わってくる。

それぞれの写真には、自分が見たことのない表情をするタカちゃんも写っていて、思わず魅入ってしまった。

「……タカちゃん、こんな顔もするんだなぁ。」

まるで彫刻のように綺麗なタカちゃんの顔。
決して大男というわけではないけれど、男の子なんだなぁと思わせる筋肉質な体や骨ばった大きな手。

いつか芝浦の港で抱きしめられた時のことを思い出せば、とくんとくんっと胸がうるさく高鳴るのを感じた。

「…わわ、考えるな私のバカ!」

浮ついてきた思考を切り替えるため、更にページを捲れば、東卍メンバーのメッセージのアチコチに ” 可愛い嫁、泣かせんなよ! ” だとか ” 結婚式は呼んでな! ” だとかいった一言を見つけて、ため息をついた。

「………まったく、みんなして適当なこと書くんだから。」

ぱーくんペーくんもそんなこと言ってたしなぁ、なんて先日2人からメッセージカードを回収した時のことを思い出す。

『椿木さんとお幸せに!って書いといたぜ。』

『ハハッ、パーちんぬるいなぁ。『俺は椿木さんのこと泣かせたら三ツ谷でも殺す』って書いたぜ!』

『はぁ?!ちょっと2人とも何書いてんの?!タカちゃん苦笑いの未来しか見えないでしょーが!!!バカバカバカッ!!!』

『ハハッ、椿木さんが怒ってんの初めて見んな!でも、三ツ谷、まじで喜ぶと思うよ。馬鹿な俺でもわかる。』

『ハハッ、俺もパーちんの意見にかけるね。』
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