I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
『そうだなー、三ツ谷君、オシャレ番長だから、服とかアクセとかでも喜びそうっスけど……でもやっぱ男なら誰でも、手料理とか手書きのメッセージが一番グッと来んじゃねぇかなぁ。』
「…なるほど…手料理と手書きのメッセージ!あとはやっぱ洋服とか装飾品か…ちょっと考えてみる!ありがと、千冬君!」
凛子は良いことを聞いたとばかりに目を輝かせる。
千冬に再度の感謝と別れを告げれば、『また何かあればいつでも言ってください!』と爽やかな返事が返ってきた。
ニコニコしながら通話終了ボタンを押した凛子の姿を見て、エマも微笑む。
「確かに、三ツ谷っていつも家事ばっかしてそうだし、そういうベタな奴が一番グッと来るかもね。せっかくだし、仲良い奴らからメッセージ集めて、一冊のメッセージブックみたいにするのはどう???」
「…それめっちゃいいね!!エマちゃん、ナイスすぎる!!」
「でしょでしょ?!ウチ、こーゆーの考えるの得意だよ♡」
こうして、エマと凛子は、少し溶けたパフェを片手に、三ツ谷の誕生日のプランを細かく練っていった。
そうこうしてるうちに、辺りはあっという間にオレンジ色一色に染まり、2人は帰路につく事にする。
「じゃ、マイキー、ドラケン、場地、千冬あたりには私からメッセージカード渡しておくネ。受け取りだけよろしく♡」
「りょーかい!何から何までありがとうね、エマちゃん!」
凛子がギュッとエマにハグをすれば、エマは嬉しそうに顔を綻ばせた。
「へへっ、凛子ちゃんの頼みなら当然。ウチのお姉ちゃんだもん!」
「……なんていい子なの!!!一生大事にするよ!!!」
「あはは!それってプロポーズ~?!」
エマの言葉に「確かに!」なんて凛子も笑って、2人で暫し笑いあう。
「じゃ、エマちゃん気を付けて帰ってね!」
「ん、凛子ちゃんも!…まぁ三ツ谷のことだから、そろそろ連絡入るかもしんないけど。」
凛子は、そんなエマの言葉に「ハハッ、どうだろ。」と笑い、お互い帰路に着いた。
エマと別れて暫くすれば、ブブッと携帯の振動が太ももに伝わる。
『遅くなるなら迎え行こうか?』と三ツ谷からのメール。
凛子は頬を緩め、『もう帰ってるところだからだいじょーぶだよ(#^^#)』と返事を送った。