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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



「えー、付き合い長いんだからちょっとくらい何か知っててもよくない?」

『あぁ?っせぇなぁ。で、急にまた何で。』

「今、凛子ちゃんと一緒にいるんだけど、三ツ谷の誕生日、今度の土曜だからさ、作戦会議中なの!」

『あー、そういうこと。あいつ、凛子ちゃんからのプレゼントなら何でも喜ぶだろ。』

微かに聞こえてきたドラケンの声に、凛子は無意識のうちに頬を緩める。

「そりゃそうだけど…もー、ドラケンに聞いたウチが馬鹿だった!こっちで考えるからもういい、じゃーねッ!」

そう言うと不服そうに、通話終了ボタンを押すエマ。

「ダメだ、アイツらの中じゃドラケンが一番まともな答えくれると思ったけど全然話にならない。」

「…あんな切り方して大丈夫なの?」

頬にこれでもかと言うほど、パフェを詰め込みご立腹の様子のエマを伺えば、「いつものことだから全然大丈夫」と、もう一口、小さな口にパフェを詰め込んだ。

「…んー、八戒くんにメールしてみるよ。メールなら流石にお返事くれるでしょ。」

「んー、どうだろ。返ってこないに一票。」

そんな小動物みたいなエマを見て微笑んだ後で、凛子が携帯片手にそう口にすれば、エマは眉間に皺を寄せた。

そして、「あ。」と小さく呟いた後、「保険に、千冬にでも聞いとこ!アイツ、結構そーゆーとこ気が利くから。」と言ってニコリと笑った。

エマの言葉を聞いた凛子は、八戒にメールを送信した後で、先日連絡先を交換したばかりの千冬に電話をかけた。

プルルル…とコールが4回ほど鳴り響いた後、『…ももももも、もしもし!』と少し上ずった声が凛子の耳に届く。

「千冬くん、いきなりごめんね。ちょっと聞きたいことがあって……今ちょっと時間大丈夫?」

凛子がそう尋ねれば、『も、勿論っス!』と元気のいい声が返ってくる。

凛子はそんな電話越しの千冬にクスクスと笑みを零し、事情を説明する。

そうすれば『…なるほど、そういう事っスか』なんて言葉が返ってきた。

「そうそう、私もエマちゃんにさっき聞いて、今とっても悩んでて。男の子たちの意見も聞かせてほしくって。」

凛子が千冬にそう告げると、電話越しに『うーん…』と真剣に悩む声が聞こえてきた。
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