I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「ごめーん、凛子ちゃん、お待たせ!」
ある日曜の昼下がり、渋谷駅にて待ち人を待っていれば、凛子の前に、ひまわりみたいな笑顔を携えた金髪の少女が姿を現した。
「エマちゃん、やっほー!全然へーき、楽しみすぎて少し早く着いちゃっただけ!」
凛子がそう言って笑えば、エマも「ほんとー?よかったぁ」と言って長い髪の毛を耳にかけた。
東卍の集会に顔を出して以来、すっかり仲良くなった2人。
エマの「素敵なカフェで美味しいパフェでも食べながら女子会しよ♡」という言葉により、今日はカフェにてお茶会もとい女子会とやらの予定となっている。
エマに案内され、道玄坂付近まで他愛もない話をしながら足を進めれば、ピンク色の日よけのある可愛らしいカフェが姿を現した。
「お、ここここ♡」
ふわふわと金色に輝く髪の毛を輝かせながら、凛子の手を引いてズンズンと進んでいくエマ。
凛子は、自分よりも少し背の低いエマのはしゃぐ後ろ姿に微笑みながら、後に続いた。
案内されたオープンテラスに座って暫く経てば、エマおすすめのパフェが運ばれてくる。
「わーーーー♡美味しそう!!!」
凛子が目の前のパフェに瞳を輝かせていれば、パシャリと乾いたシャッター音が響いた。
「へへ、凛子ちゃん可愛い♡はい、次、ツーショね♡」
驚く凛子をよそに、エマは再度携帯のカメラを構えると「ハイ、チーズ!」と笑う。
シャッター音が響き、撮れた写真を2人で確認すれば、パフェ片手に楽しそうに笑う2人の姿が映し出されていた。
「うん、いい感じ!」
嬉しそうなエマに、凛子も頬を緩める。
そして、「よし、溶けないうちに食べちゃお♡」というエマの言葉により、2人は美味しそうにパフェを頬張り出した。
「…ウチ、上にお兄ちゃんしかいないから、お姉ちゃんが出来たみたいで嬉しい。」
「ふふ、私もまた可愛い妹が出来たみたいで嬉しいよ。ユキに、ルナちゃんとマナちゃん、エマちゃんか~。何か大家族のお姉ちゃんになった気分でいいな~。」
ふふふと花が綻ぶように笑う凛子の姿を見て、エマも嬉しそうに笑った。