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I don’t want to miss a thing.

第1章 …I'll be there for you.



振り向けば、嫌な予感は的中。
面白いものを見つけたと言わんばかりにニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべる幹部連中並びに、その他エトセトラがいた。

「てめーら、さっきから見せつけてくれるじゃねぇか。」
「(生で見るとめちゃくちゃ可愛いじゃねぇかよ、三ツ谷君の彼女……クソ羨ましいな、オイ。)」

「…ぐふっ…タカちゃん…かっけぇ!!!俺と結婚して!!」

「オイオイ、三ツ谷!!俺も ” 逢いたかったの! ” とか言われてみてぇな、あ゛?」
「兄ちゃん、ちょっとうるさい。(ごめんね、怖かったよね。)」

「おー、三ツ谷ー。隠してねーで早くこっち嫁連れて来いよ。」
「へー、凛子ちゃんって意外と小っちゃいんだね。可愛いじゃん。」

「……お前ら……。」

俺はこの状況をどう切り抜けようかと思案する。

「あー!パーくんぺーくん!八戒くんもいるじゃん!やっほう!」

そんな俺の苦悩は梅雨知らず、椿木さんは、俺の横からひょこっと顔を出すと、パーとぺー、それから八戒を見てひらひらと手を振っていた。

さっきの潮らしさはどこに行ったのかと、切り替えの早い椿木さんを見てトホホとため息を一つ。

椿木さんに気付いたパーが「よう、椿木さん。よく来たな。」とか何とか言って近寄ってくれば、椿木さんは嬉しそうに笑う。
そうすれば勿論、それに続いてペーがやって来て、ぞろぞろと残りの幹部らも後に続いた。

俺は観念して、椿木さんのことを東卍の連中に紹介する。

最初こそ緊張していた椿木さんだったが、直ぐに馴染んで、終始ニコニコと東卍メンバーと親睦を深めていた。

そして「特攻服の八戒くんって初めて見たー!似合うねー!」等と言いながら、フリーズする八戒の周辺を椿木さんがくるくると周回しては、東卍の奴らが動画等を取りながらケラケラと笑っていた。

そんな椿木さんと東卍の奴らの様子を、複雑な心境で眺めていれば、横からヌッとエマが顔を出す。

「…へー、あの子が噂の凛子ちゃん。ウチも仲良くなってこよ♪」

「おー、あんま椿木さんのこと、いじめんなよ。」

珍しい女子の姿に嬉しそうなエマにそう声をかければ、「三ツ谷のバーカ。誰がいじめるか。」と憎まれ口を叩かれ、俺はハハッと笑った。
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