I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
適当にウィンドウショッピングを楽しんだり、クレープを食べたり、プリクラを撮ったり、そんなことをしていれば、あっという間に辺りは暗くなり始める。
楽しい時間はあっという間で、その事実に、心の中で小さな溜息をつく。
「まだ俺、お前のこと帰すつもりねぇし、そんな顔すんなよ。な?」
そうすれば、タカちゃんが優しい瞳でこちらを見遣る。
「…え?!私ってそんなわかりやすいかな?!」
自分の心の声を読まれたのかと驚いて、瞬きを繰り返せば、タカちゃんはクスクスと口元に手を当てて笑った。
「んー、まぁ俺一応彼氏だし?」
そう言って幸せそうに笑うタカちゃん。
私はそんなタカちゃんの姿を見て、やっぱり彼氏って凄いやなんて思うのだった。
そうして、暫く他愛もない話をしながら帰路を歩いていれば、あっという間に我が家およびタカちゃんのお家の前。
そして、ホワイトデーのお返しがあるとのことで、私はタカちゃんの言うままにタカちゃんの家の中へと足を運んだ。
「…嬉しそうな顔して、どうした?」
タカちゃんのお家のあったかいニオイと、何やら小さな小包を手にやってきたタカちゃんの姿。
私が幸せに目を細めれば、タカちゃんが優しい瞳でこちらを覗く。
「んー?タカちゃんからホワイトデーのお返し貰えるなんて、幸せだなぁーって。」
そう言って頬を緩めれば、タカちゃんも嬉しそうに目を細めた。
「これからは毎年恒例のイベントになるな。」
そう言って私の隣に座ると、タカちゃんはそっと私の腰に手を回し頬に優しく口づけた。
そんなタカちゃんの言動に、胸がキュンと高鳴る。
そして、タカちゃんの優しい瞳と再び視線があえば、どちらからともなくチュッと軽く触れるほどの口づけを交わす。
時計の秒針の音だけが静かに鳴り響く空間で、とても穏やかで幸せな感情だけが2人を満たしていた。
あぁ、幸せだなぁ。
シンプルに、ただ、そんなことを想う。
ずっとずっと、こんな時間が続いていけばいいのにな。なんて。
そんなことを考えていれば、タカちゃんが再び私の頭を優しく撫でては微笑んだ。
「コレ、開けてみてよ。一応、俺の手作りだから。」
そう言ってタカちゃんは綺麗にラッピングされた小包を私に手渡すと、少し緊張した面持ちでこちらを覗いた。