I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
「…なぁ、凛子。ほんとに来るの?今日の集会。」
「うん!ダメ?」
そして俺は今、凛子の家のリビングにて、嬉しそうに大量のチョコレートを紙袋に詰めていく凛子に問いかけていた。
事の発端は放課後、
下校時刻になり帰ろうとしてたところで、凛子からの電話が鳴り響いたことによる。
携帯の画面に表示されている凛子という文字に頬を緩めた後、通話ボタンを押せば、
『お!タカちゃん、部活終わった?』
なんて明るい凛子の声が響いた。
『オウ、丁度今終わったとこ。何かあった?』
『お疲れ様!実は昨日言い忘れちゃったんだけどさ、今日集会だって言ってたよね?凛子も連れてって欲しいんだけど、ダメかな?』
『……え。』
予想外の依頼に俺は呆けに取られる。
『…んー、そうだな。別にダメじゃねぇけど、どうしたよ?』
俺としては、出来れば、男だらけの集会場所に凛子のことを連れて行きたくないっていうのが本音。
単純に不良ばかり集まる場所で何があるかわかんねぇから危ないってのもあるし、何より、俺の目の届かないところで野蛮な輩にちょっかいをかけられても困る。
まぁでも、凛子が集会に来たいなんて言うことは滅多にないことだったので、俺は一応理由を聞くことにした。
そうすれば、凛子から続けられた言葉に俺はまたしても驚かされることになる。
『バレンタインチョコ、マイキー君とかのも用意してるから直接渡しに行きたいなって!集会ならみんなに渡せるし、丁度いいかなって思って。』
『…………は?』
バレンタインチョコ?
マイキー君とかのも用意してる?
そんな凛子の爆弾発言に俺が言葉を失っていれば、『じゃあ先に家に戻って準備して待ってるね!』なんて言って凛子は嬉しそうに電話を切ったのだった。
そして冒頭、OKなんて言ったつもりはないのに、何故か嬉しそうに袋詰めしたチョコレートを紙袋に詰めていく凛子と、それを複雑な表情で眺める俺の構図へと結びつく。