I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
「………お前なぁ…この間からさ……ソレ、俺がお前のことが欲しくてたまんねぇの知っててやってる?」
その意味わかってんのか?って、小さな溜息交じりに、少し困ったように眉を寄せるタカちゃん。
真っ赤な顔でコクンと小さく首を縦に振る。
そして、タカちゃんの口元にある大きな手を取って、自身の頬にあてれば、じんわりと湿り気を帯びた熱がそこから全身に伝わっていった。
「…………もっと…触って?」
きっと今生で一番の勇気をもって発した言葉。
ゴクンッて息をのんだタカちゃんの垂れ下がった大きな瞳。
タカちゃんは驚いたように、ゆっくりと何度か目を瞬かせる。
恥ずかしさできっと私の顔は熟れた果実のように深紅に染まっているけれど、
私だって、もっともっとタカちゃんを近くで感じてみたい。
そんなことを想いながら、タカちゃんの瞳をジッと見つめれば、あっという間に視界は反転して、白い天井を背景にタカちゃんの綺麗な顔のドアップが映し出されていた。
上から激しい口づけが落ちてくると、タカちゃんの手が私のボディラインをまさぐるように撫でていく。
「…んんっ、タカちゃッ!……ちょっ…待って!…ベッ…ド!」
甘いキスの味に絆されそうになりながらも必死にタカちゃんの胸板を叩けば、「…ん」なんて言って、ヒョイと私のことを抱きかかえてしまったタカちゃん。
「……あっ……ちょっと待っ…て…ってば…!」
「…無理。もう待てねぇ。」
私のことを前抱きにしながらも、タカちゃんは熱い口づけを止めはしない。
タカちゃんが私を抱きかかえたまま、ギィッと寝室の扉を開ければ、タカちゃんの甘い香りに交じって私の部屋の香りが鼻をくすぐった。
そうすれば、ボフンッと少しだけ乱暴にベッドに背中から降ろされる。
そして、タカちゃんの掌が後頭部からそっと抜き取られると、まるで獲物を狙ってる獣みたいな ” 男の人の顔 ” したタカちゃんがこちらをジッと見つめていた。
「………あんなこと言っておいて、今更、やめてなんて言うなよな。」
まだ見たことのない雄の瞳が私の瞳を射る。
有無を言わせない、その切ないほど切羽詰まった瞳に、何故か私の胸は心臓を鷲掴みにされたかのように大きく高鳴った。
今にも破裂しそうなくらいドキドキと高鳴る胸に手を置くと、私はコクンッと小さく頷いてみせた。