I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
タカちゃんの舌が私の歯列を丁寧になぞって、遂に私の舌まで絡めとれば、チョコレート特有の甘い香りが口内に広がっていく。
手にしていたマグカップはいつの間にか、タカちゃんによって回収されてしまって、今じゃソファの手前のテーブルの上で黙々と白い湯気を上げていた。
…………くちゅっ……じゅっ……ちゅうっ…
瞳を閉じれば、そんな水音と、段々と荒くなってきたタカちゃんの息遣いが耳に恥ずかしいくらいに響く。
そんな少しエッチな音と口内から広がる甘美な香りに、私の耳を始めとした身体中はまんまと絆されていくようだった。
暫くそんな身体中を溶かしてしまうような甘いキスの味を堪能していれば、じゅうっと私の唇を強く吸ってから、タカちゃんは唇を名残惜しそうに離す。
夢見心地に薄っすらと瞳を開ければ、タカちゃんの艶っぽい瞳がこちらをじっと見つめていた。
ドクンッと大きな音を立てて私の心臓が跳ねる。
” お前が欲しい ”
って、そんなタカちゃんの切実な声が、綺麗な紫色した瞳を通して聴こえてくるような気がしたから。
そんなタカちゃんの色気にあてられた私は、とん…とタカちゃんの見た目よりも頼もしい胸に寄りかかると、
I want you
とたったそれだけ。
その瞳から伝わる想いに答えるように、君が欲しいってたったそれだけの文字を、その逞しい胸板に人差し指でゆっくりと刻んだ。
どきんっ…どきんっ…と、何かを期待するように高鳴り出した自分の胸の鼓動がくすぐったくて、
寄りかかったタカちゃんの胸元から聴こえてくる、同じように高鳴る鼓動の音が嬉しくて、
私はゆっくりと顔を持ち上げる。
そうすれば、「………は?」なんて真っ赤な顔で大きく目を見開いては口元を片手で覆ったタカちゃんと目があった。