I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
『…え?言われてみればないかもだけど…。』
『ハハッ、今度見せてもらいなよ。アイツのフォルダの中って、2人が付き合う前から凛子ちゃんの写真ばっか。前に八戒がそれ見て無駄に嫉妬してたくらい。』
『そうなの?!他の皆の前でもパシャパシャ写真撮ってるんじゃないの?!』
驚いて目を瞬かせていれば、柚葉ちゃんはまた面白そうにクスクスとお腹を抱えて笑っていた。
『アハハ、マジウケる!全然違う。ウチらといたって写真撮ってるのはもっぱら八戒のヤツ。そもそも三ツ谷って機械系苦手だから、必要最低限しか触ろうとしない。』
『……えー…そうなの?!…えー…なんか…えー……はずかしいネ。』
『ハハッ、どう?三ツ谷に愛されてる自覚わいた?』
『……ハイ。お恥ずかしいくらいには。』
そうして予想外の嬉しい新事実発見に顔を真っ赤に染めている私のことを柚葉ちゃんは楽しそうに見守るのだった。
そんな出来事を想い出しながら、紅茶の入ったマグカップを2つリビングに運んでいけば、
「凛子、こっち。」
なんて言って、タカちゃんは嬉しそうに自分の横をポンポンと叩いた。
「なぁ、これ何て言うんだ?こっちも美味いけど、これめっちゃ美味ぇな。」
促されるままタカちゃんの隣に腰を下ろせば、コーティングされたトリュフを見て、タカちゃんが瞳をキラキラと輝かせる。
子供みたいな無邪気な笑顔を咲かせているタカちゃんに私は頬を緩めた。
「ふふ、お口に合ったみたいでよかった~。タカちゃん、トリュフって食べたことなかった?中が生チョコになってるから、口の中で溶けて美味しいよね♡」
幸せな気分で、穏やかに白い湯気を香りだたせている紅茶を一口すする。
そうすれば、柑橘系の程よく甘い香りが身体中を満たしていく。
来年はオランジェットとかもいいな、なんて思っていれば、不意に「凛子」なんて名前を呼ばれた。
隣のタカちゃんを見上げると同時に、チュッと降りてくる優しい口づけ。
「…凛子…口、開けて。」
なんて。
少し悪戯な視線に言われるがままに口を少し開けば、たちまちタカちゃんの熱くて湿った舌が口内を侵し始めた。