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I don’t want to miss a thing.

第2章 …Please, don't stop the love.



結局昨晩はそんなに眠れなくて、俺は若干のクマを瞳の下に作ったまま、凛子の家のインターホンを押した。

「はーい、今開けるね!」

なんてインターホン越しの凛子の声。

ガチャッと鍵を開ける音が響くと、ひょこっと凛子が顔を覗かせた。

「…ごめん、思ってたより時間かかっちゃって、まだ作り終わってないの…。ちょっとテレビでも見て待ってて?」

なんて俺のことを家の中へ招き入れた凛子。

当たり前だが、目の前の凛子は服を身に纏っていて。

エプロンこそ身に着けているものの、裸エプロンでも、チョコまみれでも、ホイップクリームまみれでもない。

そんな事実に少し安心したような、それでもどこか心の奥底で落胆した俺がいたような、そんな複雑な内情を抱える俺。

そして、凛子に促されるまま、リビングのソファへと腰掛けた。

俺は手持無沙汰で、リビングのソファに置いてあるクッションを手にすると、膝の上に抱いた。

「タカちゃん、紅茶とココア、どっちがいいー?」

今ではもう嗅ぎ慣れた凛子の家の落ち着く匂いにまどろんでいれば、キッチンの方から凛子の声が聞こえてくる。

「…んー、ココア!」

少し悩んだ末にココアをリクエストすれば、暫くして、エプロン姿の凛子がココアの入ったマグカップを俺の座るソファの前に置かれたローテーブルの上に置いた。

「熱いから火傷しないようにね!……あれ、タカちゃん、昨日あんま眠れなかったの?クマなんて珍しくない?…なんかあった?」

そう言って、心配そうに俺の顔を覗き込む凛子。

俺の少しの変化にさえ気が付く凛子。

あぁ、やっぱすきだなぁ

なんて。

俺は少し眠たい頭で、そんなことをぼんやり想っては、口元をふっと緩めた。

「…ん、別に何かあったわけじゃねぇんだけど…昨日あんま寝つきよくなくて。」

俺が適当に理由を話せば、依然として心配そうな凛子の瞳が俺の顔を覗いていた。

「…そっか…。チョコ出来たら声かけるし、それまでベッドでちょっと寝てる?ウチ、ベッドなら何個も余ってるし……」

「んー、大丈夫。でも、ココア飲んで眠くなっちまったらちょっとここで寝させてもらってもいい?」

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