I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
『…あッ……タカちゃん……もう…私…待ちきれない。』
『……凛子。』
『…ぁ…んっ……はぁっ………もぅ…挿れて…い?』
『……おい、ちょッ……凛子…いきなりは…』
……パチッ…
「………あ?……夢…?……いや、夢じゃねぇ。きっと今喋ってる俺こそ夢だ。」
……
いくら瞳を閉じて待てども、先程の続きは目の前に現れない。
「……うわ……マジか…なんだよ、今一番いいところだったのに。……って、そりゃそうなるよな…ハァ~~~~~最悪。」
俺は布団から身を起こすと、下半身に感じる冷たい感触と、覚めて良かったとも言えるが一方で覚めて欲しくなかったとも言える夢の内容に盛大な溜息をついた。
脳裏には、先ほど夢の中で見た凛子の姿がこびりついていた。
陶器のような滑らかな白い肌。
上気した頬と熱を帯びた物欲しそうな瞳。
凛子が、俺の局部の上で華奢なくびれた腰を前後に揺らす度に揺れる柔らかそうで程よい大きさの乳房……
「……ハァ~~~~~~~~~ッ。クソッ……アイツらが変なこと言うから、変な夢まで見ちまったじゃねぇか……。」
時計を見れば、まだ深夜2:00を過ぎたあたりで。
俺は再び大きな溜息をつくと、白濁した自身の欲の表れともいえるソレで濡れてしまった下着を洗うために、替えのパンツを手にしては、そっと寝室を出るのだった。
いや、マジで ” 夢精 ” ほど、要らないオプションはねぇと思う。
なんて、ゴシゴシと洗面台でパンツを洗っていれば、ふと蘇る昨日の出来事。
『なぁ、明日ってバレンタインデーじゃん!俺も凛子ちゃんにチョコ貰いに行ってもいい?』
『…は?いくら何でもそれは駄目。』
『なんでだよ!チョコの一個くらいいいじゃん!三ツ谷のケチ!童貞!』
いつものファミレス、いつものメンツ。
甘いモノに目がないマイキーが子供のように騒ぎ出す。
『…うっせ!そういうお前だって童貞だろ!』
『あ?!俺のことは別にいいんだよ!別にヤりてぇ奴もいねぇし。』
そうして俺とマイキーが下らない言い争いをしていれば、『………バレンタインかー…何かロマンがあっていいよな。』なんて鼻の下を伸ばしたパーが、うっとりと宙を仰ぐ。
正直言って気色悪ぃ。とはこの際言わないでおく。