I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
” …好きな人とするHって、もうすっごい気持ちいらしーよ?♡ ”
エマちゃんのそんな言葉が帰った後も、脳内でぽわんぽわんと木霊していた。
……少し身体を触られただけで、少し舌が触れただけであんなに気持ち良いのに……その先までしたら一体どうなっちゃうんだろう?…なんて。
タカちゃんの少し骨ばった温かい手が私の身体をなぞって、
あの少し鼻にかかったような甘い声が私の名前を呼んで、
優しく垂れた目の輪郭とは裏腹に、熱っぽくて切実な瞳が私の誰にも見せたことのない内側まで犯していく…。
そんな事を想像してみれば、ドクンッ…ドクンッ…と全身に熱い何かがゆっくりとほとばしっていくような、不思議な感覚が身体の随所に広がっていった。
未だかつて感じたことのない素晴らしい何かを期待するように身体の奥がじんわりと熱を帯びて、キュン…と切なく疼く。
そんな未体験の感覚に、まるで胸の内側をくすぐられるようで居心地の悪い、けれども決して嫌じゃない…何とも形容のしがたい馴染みのない感情が、私の胸を襲った。
「……はぁ~~~~~ッ……私、変態みたい………。」
「…へぇ、凛子って変態なんだ?」
「へ!?!?タカちゃん!?!?」
恥ずかしい想像をしてすっかり火照ってしまった顔を両手で押さえていれば、不意に後ろから響いてきた声。
その少し低い声に、私の心臓は、まるで逆さまにひっくり返ってしまったかのようにドキンッと大きく飛び跳ねた。
ビクッと大きく身体を揺らして勢いよく後ろを振り返れば、視界に飛び込んできたのは、こちらを面白いモノを見つけたと言わんばかりに悪戯な笑みを浮かべたタカちゃん…および、タカちゃんの鍛え抜かれた上半身。
「…タッ…タッ…!?…タカちゃん!?!?…な!?何で!?!?」
やけに破廉恥なことを考えてしまっていた後に、お風呂上りの本物のタカちゃんが登場。
そして神の悪戯か何なのか知らないけれど、今日に限ってタカちゃんは何故か上半身裸姿でこちらを見つめている。
オマケに少し湿った髪の毛からは水滴がポツリと滴り落ちて、タカちゃんの腹筋の割れ目をツゥー…となぞっていった。
……し、心臓に悪すぎる……。
私はバクバクと胸が大きく脈打つのを感じながら、ゴクリと唾をのんだ。