I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
「…意外?でもまだ付き合って1カ月経つか経たないかってところだよ?」
不思議に思って私がそう尋ねれば、エマちゃんはパンケーキをごくんと飲み込む。
「うん、でも意外。…だって、三ツ谷って手出すの結構早そうじゃん。なんてゆーか、ムッツリに見えるけどやる時やります感が半端なくない?」
「…そう…かな?」
「そうだよ、あぁ見えて独占欲強いし尚更。」
そんなエマちゃんの言葉に、タカちゃんがたまに見せる熱を帯びた熱い眼差しを思い出せば、一人でに高鳴っていく胸の鼓動。
「…まぁでも、ルナちゃんとマナちゃんが一緒のことが多いし、あんまりそういうムードになる機会もないから。」
騒ぎ出した胸の音を振り切るように、そう言って苦笑すれば、エマちゃんは「…ふむ。」なんて言って、手にしていたフォークをカチャリと置いた。
「…まぁそれはそうかもだけどさ、時間は作ろうと思えば、2人が寝た後とか、いくらでもあるじゃん。
……やっぱ三ツ谷ってさ、きっと凛子ちゃんのことがすっごいすっごい大切なんだよ。
じゃなきゃ、色々我慢出来ないよ、こんな可愛い彼女いんのに。」
エマちゃんは腕を組むと、うんうんと首を力強く縦に振る。
そして、こちらに悪戯な笑みを向けると、
「…ってことはもうさ、凛子ちゃんから誘ってあげればよくない?!案外、三ツ谷もそれ待ってたりして!」
なんて言って、瞳を輝かせた。
「……ちょッ……誘うって何を?」
私が口に含んでいた水を噴き出しそうになりながら、エマちゃんの瞳を見つめ返せば、エマちゃんはまたニヤリと楽しそうに口角を上げる。
「え、何って、そりゃ『抱いて♡』ってお誘い以外、何もなくない?」
「…いやいやいやいや。」
「……なんで?いいじゃん♡ウチだったら好きな人とは早く一つになりたいって思うけどなー。」
…それに、好きな人とするHって、もうすっごい気持ちいらしーよ?♡
なんて。
エマちゃんは私に耳打ちすると、私の反応を見てクスリと可愛く微笑んだ。
「ハハッ、凛子ちゃん顔真っ赤!自分からキス出来るくらい大胆なのに、そういうとこ初心なんだから!かーわいい♡」
……逆にエマちゃんのその小悪魔っぽさ分けて欲しいくらいです。
なんて。私は心の中で、小さく呟いた。