I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
「…オイ、凛子!危ねぇからやめろって!」
そうすれば、タカちゃんは余程見せたくないのか、腕を高く振り上げる。
「タカちゃんがソレ見せてくれたらいい話じゃん!」
私はそれに負けじと半ばタカちゃんに覆いかぶさるようにして、スケッチブックへと手を伸ばす。
「……いや…凛子に見せんのは、まだちょっと恥ずかしーから!」
「…恥ずかしいってどういうこと?まさかブロンド美女のエッチな切り抜きとか貼ってあるの?」
「いや、断じてそういうんじゃねぇけど…とにかく、まだ秘密にしておきたいっつーか何っつーか………って、え?!凛子?!」
断固としてスケッチブックをこちらに渡そうとしないタカちゃんに私は痺れを切らして、タカちゃんの肩を強く押した。
そうすれば、布団の上に仰向けに倒れるタカちゃん。
「…タカちゃんがそれ渡してくれるまで、ココからどかない。」
私はそんなタカちゃんの上に、覆いかぶさるように跨ると、タカちゃんの顔の脇にダンッと手をついた。
そうすれば、顔を赤く染めて驚いたように目を大きく瞬かせたタカちゃん。
タカちゃんがゴクンッと息をのんだのがわかった。
「………オイオイ、何でそんなに引かねーんだよ。凛子らしくねぇじゃん。」
なんて照れたような少し困ったような顔で、タカちゃんは口を開く。
「…それは、女にも引けない時があるから!」
そして、私がそう言って、たじろぐタカちゃんの瞳をジッと見つめていれば、タカちゃんは暫くして観念したようにハァ~~~~~~ッと盛大な溜息を吐いた。
「………わかったわかった、俺の負け。…コイツの中身見せるから…取りあえず俺の上からどいてくんねぇ?…ここでこの体勢は色々とまずいから。……な?頼むよ、凛子…。」
「……わかった。」
私が渋々タカちゃんの上から退けば、タカちゃんは身体を起こす。
そして、
「…お前、見た後で気持ち悪いとか言うなよな。」
なんて頬を掻きながら、そのスケッチブックを私の元へと寄越した。