I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
その後、どうにか冷静さを取り戻した俺は、凛子のことを玄関先まで送ると、玄関の扉に背を開けてズルズルとその場にしゃがみ込んだ。
「………あっ…ぶねぇ。」
可愛いこと言う凛子が悪いけど、それにしても、先を急ぎすぎたかなんて。
俺は先ほどの事を思い出しては、赤くなった顔を手で覆った。
『……やっ………くすぐっ…た………あっ……んっ…』
不意に響いた凛子の嬌声ともとれる甘い声と、とろけきった甘い瞳。
手を滑らせれば感じた、自分とはまるで違う柔らけぇ肌。
凛子が腰掛けたとこに感じた温かくて柔らけぇ股裏の感触とか、抱き寄せた時に感じた凛子の柔らかくて豊かな胸の感触とか…。
それら全てを感じてしまえば、余裕なんてものは微塵もなくて。
叶うなら、すぐにでも、あの華奢な身体に覆いかぶさってしまいたかった。
「……………はぁ~~~~~~~~~~~ッ………俺、いつまで持つかなコレ…。」
つーか、俺半勃ちだったけど、まさか当たってねぇよな…?
なんて。
俺は再び質量を増してきたソレに目を落としては、その場で大きな溜息をついた。
そして、ポケットからおもむろに携帯を取り出すと、一つの電話番号を探す。
プルルル…という呼び出し音が複数回鳴った後で、「…おー、三ツ谷どうしたぁ?」と気だるげな声が耳に響いた。
「……あー…もしもし、ドラケン?…今ちょっといい?」
なんて、俺は少し照れくさくて頬を掻きながら口を開く。
『あー、別に平気だけど。お前からなんて珍しいな。何かあったか?』
「……いや、こんな話聞くのすげぇ恥ずかしーんだけどさ………フツー、付き合ってからどの位経ったらシていいの?」
俺が至って真面目にそんな話題を振れば、一瞬の静寂が流れた後、電話越しでゲラゲラと笑い出すドラケン。
「…ッおまッ!……んな笑うなよ!………ったく、こっちは大真面目に相談してるってのに。…はーあ、お前に電話した俺が馬鹿だった。」
相変わらずヒーヒー言いながら「あの三ツ谷が…!」とか何とか言いながら大笑いしているドラケンに、不満を漏らす。
そして、恥ずかしさで自分がいたたまれなくなり電話を切ろうとすれば、「……待て待て、」なんてドラケンの声が耳に響いた。