I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
新学期初日、タカちゃんと一緒に教室に入ればすぐ、
「会いたかったよ凛子ー!!!」
なんて言って、優美ちゃんが飛びついてきた。
そして私の身体を離すとすぐ、私の首元と胸元の変化に目を瞬かせた優美ちゃん。
「…あっれー?凛子、マフラー替えた?可愛いじゃんこの色~♡……って、何このスカーフ!!!ちょーイケてる!!!…でも、なんて書いてあるんだ?……んん゛?!T.Mitsuya?!…ん゛!?三ツ谷隆!?!?」
スカーフに縫い付けられた文字と、私の隣に立つタカちゃんの顔を交互に何度も見つめる優美ちゃんの姿に、私達は2人で顔を見合わせると笑みを零した。
「…あー、まぁつまり、こーゆうこと。」
私の肩をグイッと引き寄せると、照れたようにニカッとはにかんだタカちゃん。
そんな大胆なタカちゃんの行動に、私の顔も瞬時に熱を持つ。
「……………え!?!?!?こうゆうことってそうゆうことだよね?!もしかしなくても2人ってその…付き合ったってこと?!」
Youが彼氏でYouが彼女?
なんて、目を大きく瞬かせて私達を交互に指差す優美ちゃん。
私がコクンッと首を縦に振って見せれば、優美ちゃんはまた大きな声で「えーーーーー!!!!!」と発狂すると、その場でくるくると回り出した。
「何だそれ、いつから!?どっちから!?どういう経緯で!?聞きたいことがありすぎて、死にそうだよ!!!」
「ハハッ、優美ちゃん興奮しすぎ。」
私が笑ってそう言えば、優美ちゃんはヌッと私達に顔を近づけると、
「…これが興奮せずにいられるかァ!!!悪いけど三ツ谷くん!今日の凛子の放課後は私が貰った!!!」
と言って、嬉しそうにパタパタと駆けて行った。
「………森田さん、新学期早々元気一杯な。」
「…うん、ほんとに。」
そして、私とタカちゃんは優美ちゃんの小さくなっていく後ろ姿を見送ると、もう一度顔を見合わせてクスクスと笑い合った。