I don’t want to miss a thing.
第1章 …I'll be there for you.
「ふざけんなふざけんなふざけんな!!!永遠になる!?努力しても努力しても愛が手に入らない!?……笑わせんな!!!」
普段の椿木さんの口からは到底聞くことのない台詞に、俺は目を見開く。
「うるさい!!!お前なんかに私の何がわかるってんだよ!!!
愛情を手にすることが当たり前のアンタに、私の何がわかるって言うの!?
実の両親からも…友達だと思ってた奴らだって…彼氏だと思ってた奴らだって…
誰も私のこと愛してくれなかった!!!
どんなに綺麗に着飾ってみたって、女を磨いたって、身体を売ってまでして名声と立場を得たって、
誰も私のことなんて、本当の意味で愛そうとしてくれなかった。
もうこんなに誰にも愛されることが叶わないなら、
誰にも本当の私を受け入れてもらえないのなら、
……もうこんな苦しくて辛い人生、終わらせてやる!!!
……もう…うんざりなんだよ、こんな人生も、こんな世界も……
本当はアンタ達を地獄の底まで道連れにしてやろうと思ったけど、それも敵わないなら、こうやって一人幕を下ろすしかないじゃん。」
そして、そう言い返す詩織さんの言葉達は力なく炎にのまれていった。
最後まで言葉が紡がれれば、ソレは詩織さんの涙へと変わる。
詩織さんが反論している間、静かに耳を傾けていた椿木さんは、全て聴き終わると、俺が押さえていない方の手でもう一発だけ詩織さんの頬をぶった。
「……西園寺先輩、あなたがどんな過去を歩んで来たのかなんて、私は残念ながら知りません。
…でも…
自分の命も大切に出来ない、
他人の命も大切に出来ない、
他人の幸せも壊すことしか能がない……
……自分の事も愛せないで、誰のことも愛してない癖に、他人に愛されたいなんて虫が良すぎるんですよ!!!」